ライフ

カツラの男性 「新しい帽子だ」と言えば自分も周囲も楽になる

 男の髪の悩みは深刻だが、それはカツラを装着していても同じ。「恥ずかしい」「いつかバレるのでは?」との気持ちが消えないからだ。サラリーマン生活を送りながらブログやテレビで話題のポジティブ・カツラーであるカムーロ見や毛さんが、前向きなカツラの使い方を伝授する。

 * * *
 カツラを着けてわかったのは、世間の人たちは、僕のことを“ハゲという記号”でしか見ていなかったということ。

 当初は、カツラを着けていると周囲の人が僕だと気付かないことも多かった。会社の同僚が目の前で「会議の時間なのにどこに行ったんだ?」なんて僕を捜したり、“お披露目”と称してカツラを着けて近所を歩いてみても、顔見知りの奥さんでさえ僕だって気付かないんだから。なんだ、カツラを着けると“透明人間”になれちゃうんだなと思ってね。

 だったら、ハゲとカツラ、それぞれの人生を演出しちゃおうって、楽しくなっちゃったんです。どっちでもイケる“リバーシブル人生”(笑い)。今では、カツラを着ける前の人生を「紀元前(BC)」と思ってるほどですからね。自由自在に脱いだり着けたりするので “着脱系”なんて呼ばれてます。

 カツラなんて……いずれ、バレますよ。カツラと不倫は絶対バレるんです(笑い)。極端にいえば「一生隠し通す」か「開きなおってオープンにしちゃうか」の二択しかない。一番悲惨なのは、「バレバレなのに、周囲は気付かないフリをして過ごす」ことです。

 不自然なカツラは周囲の人に「バレていると本人に気付かせてはいけない」という緊張感を生んでしまう。でも、自分から「こんなの買っちゃってさー」「見て、新しい帽子だよ」なんて明るくいうと、周りは「ああ、イジってもいいんだな」ってなる。結果、本人も周りも楽なんです。

 もともと明るい性格だからできるんだっていわれますけど、僕だって、ハゲ時代はブティックの店員に「ハゲに似合う服なんかないよ」って思われているんじゃないかとか、女子高生が写メすると、「しまった! 後頭部撮られた」なんて、被害妄想のハゲおじさんでした。

 いま、「なんで、カツラなのにそんなに明るいの?」と、よく聞かれます。その答えは明確で、“人の目からも自分の目からも自然と思えるカツラ”を手に入れたからです。ちょっと意外かもしれませんが、ベストなカツラを手に入れたとき、“髪ングアウト”する自信が生まれるんですよね。

 カツラは「バレたときが一番恐ろしい」。だから“バレないカツラ”だと自信を持っていれば怖くはないってことです。

“髪ングアウト”は“突破口”だと思うんです。人は、何かをきっかけに他人を見下したいもの。それがハゲやカツラだったりします。でも、ハゲでもカツラでも、平然と面白おかしく振舞っていればいいんです。そうすれば、人は偏見や差別意識を忘れます。

 こういうことは全部、カツラを着けて初めてわかったこと。カツラで「人生にどんな化学変化が起きるか」を体験してほしいなあ。

※週刊ポスト2012年11月2日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン