芸能

酒井法子復帰でコラムニストが「マンモスかなピー」体験を告白

 衝撃的な覚せい剤取締法違反で逮捕から3年、元清純派アイドルの酒井法子が芸能界に本格復帰する。再びネットでさまざまな論議を呼ぶだろうが、大人としてどのようにこのニュースに接するのが「正しい」のか。大人力コラムニスト・石原壮一郎氏が捨て身の体験談を語る。

 * * *
 酒井法子が覚せい剤取締法違反で逮捕されたのは、2009(平成21)年8月。その後、裁判で懲役1年6か月、執行猶予3年の有罪判決を受けます。月日が経つのは早いもので、この11月24日には執行猶予の期間が終了。その日の午後には、復帰作となる主演舞台の稽古場で記者会見を開くことになっています。

 3年前、彼女が警察に出頭した直後の日曜日の夕方、私は日本テレビ系のニュース番組『真相報道 バンキシャ!』の生放送のスタジオに、コメンテーターとして座っていました。個人的な話で恐縮ですが、そこで“マンモスかなピー”事件が起きてしまいます。

 番組の冒頭に、事件のこれまでの流れと逮捕の様子を映したビデオが放送され、カメラがスタジオに戻ってきました。日本中の関心を集めているこの事件について、短い時間で何か気の利いたコメントを言わなければなりません。司会の福澤朗さんが、重々しい口調で「石原さん、いかがですか」と話を振ります。

 私は迷いました。自分の立場としては「裏切られたファンに代わって憤りを示す」か「覚せい剤の恐ろしさに怯える」といったコメントが妥当かもしれない。しかし、普通のことを普通に言っても面白くないし、視聴者やスタッフに感心してはもらえません。

 私は決心しました。ユーモアにくるみつつ、ファンの気持ちを代弁しようと。ニヤけないように気を付けつつ、神妙な口調でこう言いました。「いやあ、まさに、ファンにとっては、マンモスかなピー出来事ですね……」。

 場が凍り付くとは、まさにあのことを言うのでしょう。司会の福澤さんと菊川怜さんの目が点になった表情は、今も忘れられません。隣りにいた河上和雄さんの表情は……怖くて見られませんでした。発言はスルーされ、番組はそのまま進行。のちに知りましたが、発言の瞬間、ネット上では「あの不謹慎なヤツは誰だ!」という怒りの声や、「いやあ、今のスベりっぷりはすごかったな」といった嘲笑の声が大量に飛び交ったようです。しかも、事件への関心の高さから、この週の放送は番組の年間最高視聴率を記録したとか。

 今見ればどうってことない茶化し方ですけど、その時は元清純派アイドルの逮捕に世の中が衝撃を受けていて、深刻そうな顔をするのが大前提という空気でした。コメンテーターの役割は、世の中の空気を読んで視聴者がうなづけるコメントをすること。私のコメントは完全に失格でした。しかし、結果的にはマンモスかなピー反応でしたが、けっして後悔はしていません。リスクを恐れず、強引に特色を出そうとした自分の勇気をホメてあげたいと思います。ま、あそこまで見事にスベるとは思いませんでしたけど……。

 ちなみに、それまでは定期的に出してもらっていた『真相報道 バンキシャ!』ですが、その日以来、一度も出演依頼はありません。ちょっとかなピーです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

解散を発表したTOKIO(HPより)
「TOKIOを舐めるんじゃない!」電撃解散きっかけの国分太一が「どうしても許せなかった」プロとしての“プライド” ミスしたスタッフにもフォロー
NEWSポストセブン
教員ら10名ほどが集まって結成された”盗撮愛好家グループ”とは──(写真左:時事通信フォト)
〈機会があってうらやましいです〉教師約10人参加の“児童盗撮愛好家グループ”の“鬼畜なやりとり”、教育委員会は「(容疑者は)普通の先生」「こういった類いの不祥事は事前に認知が難しい」
NEWSポストセブン
警視庁を出る鈴木善貴容疑者=23日午前9時54分(右・Instagramより)
「はいオワター まじオワター」「給料全滅」 フジテレビ鈴木容疑者オンカジ賭博で逮捕、SNSで1000万円超の“借金地獄”を吐露《阿鼻叫喚の“裏アカ”投稿内容》
NEWSポストセブン
大手芸能事務所の「研音」に移籍した宮野真守
《異例の”VIP待遇”》「マネージャー3名体制」「専用の送迎車」期待を背負い好スタート、新天地の宮野真守は“イケボ売り”から“ビジュアル推し”にシフトか
NEWSポストセブン
「最近、嬉しかったのが女性のファンの方が増えたことです」
渡邊渚さんが明かす初写真集『水平線』海外ロケの舞台裏「タイトルはこれからの未来への希望を込めてつけました」
NEWSポストセブン
4月12日の夜・広島県府中町の水分峡森林公園で殺害された里見誠さん(Xより)
《未成年強盗殺人》殺害された “ポルシェ愛好家の52歳エリート証券マン”と“出頭した18歳女”の接点とは「(事件)当日まで都内にいた」「“重要な約束”があったとしか思えない」
NEWSポストセブン
「父としての自覚」が芽生え始めた小室さん
「よろしかったらお名刺を…!」“1億円新居”ローン返済中の小室圭さん、晩餐会で精力的に振る舞った理由【眞子さんに見せるパパの背中】
NEWSポストセブン
多忙なスケジュールのブラジル公式訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《体育会系の佳子さま》体調優れず予定取り止めも…ブラジル過酷日程を完遂した体力づくり「小中高とフィギュアスケート」「赤坂御用地でジョギング」
NEWSポストセブン
麻薬密売容疑でマグダレナ・サドロ被告(30)が逮捕された(「ラブ・アイランド」HPより)
ドバイ拠点・麻薬カルテルの美しすぎるブレイン“バービー”に有罪判決、総額103億円のコカイン密売事件「マトリックス作戦」の攻防《英国史上最大の麻薬事件》
NEWSポストセブン
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一(50)。地元でもショックの声が──
《地元にも波紋》「デビュー前はそこの公園で不良仲間とよくだべってたよ」国分太一の知られざる “ヤンチャなTOKIO前夜” 同級生も落胆「アイツだけは不祥事起こさないと…」 【無期限活動停止を発表】
NEWSポストセブン
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
《水原一平がついに収監》最愛の妻・Aさんが姿を消した…「両親を亡くし、家族は一平さんだけ」刑務所行きの夫を待ち受ける「囚人同士の性的嫌がらせ」
NEWSポストセブン