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退学させないための「最後の手段が体罰」と大阪教育連盟顧問

 マスディアをはじめ、世間では体罰=悪という意見が大半を占めている。そうした事態に対し、「生徒を更生させるための最後の手段として体罰を施さざるを得ない場面がある」と主張するのは、大阪教育連盟(保守系の教職員団体)顧問の南木隆治氏だ。南木氏が語る。

 * * *
 2年前に退職するまで30年以上、大阪の府立高校で教諭を務め、指導が難しい生徒を多数抱える「教育困難校」に勤務したこともある。生徒の実に3分の1ほどが、少なくとも年に1回は停学、校長訓戒、厳重注意などの処分を受ける学校だ。処分の理由は、生徒や教師などに対する暴力、器物損壊、喫煙、飲酒、万引き、深夜徘徊など。

  南木氏はその学校で数回、平手打ちによる体罰を施したという。いじめで、片方の生徒が相手の生徒の顔を便器に押しつけるのを目撃した時。万引き常習犯の女子生徒を警察に引き取りに行った時……。南木氏は言う。

「喧嘩やいじめの場合、体罰の目的には緊急措置的に危険な状態を止めることもありますが、それ以上に生徒が自分の行動の過ちに気付くきっかけを作ることが重要です。平手打ちというショックを受け、生徒は直感的に、自分は悪いことをやったのではないかとハッとする。その瞬間を逃さず、なぜ、何がいけないのかを説いて聞かせる。特に他人の痛みを感受する心が育っていないようなタイプの生徒の場合、痛みを感じながら聞く言葉は心に響きやすいのです」
 
 体罰を全否定して学校の秩序を保とうとすれば、処分に頼らざるを得ず、停学者や退学者を増やすことになるという指摘もある。高校の教育困難校では、アメリカのようにスクールポリス(学校に常駐する警官)制度の導入も検討されるだろう。

「生徒に問題行動をやめさせ、退学などの事態に追い込まないようにするのが教育の目的で、そのための最後の手段が体罰だ」と南木氏は述べる。

※SAPIO2013年4月号

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