夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(47歳)が玩具メーカー勤務の奥様(46歳)。長女が大学入学で引っ越しです。
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「大切な娘が1人暮らしする部屋はオレが探す」と、主人が見つけてきたのは、エレベーターがない賃貸団地の5階の部屋。娘と3人で見に行きましたが、階段を上がるだけで息が切れ、「こんなとこイヤ!」と娘。
私が「荷物を運ぶのも大変だし、友達ができても、遊びに来ないわよ」というと、「それでいいんだ。オレとキミの事を考えてみろ。キミは学生時代、1階に住んでた。そこで2人は結ばれた」って、イヤだ、娘の前で恥ずかしいじゃない!
「あれがエレベーターなしの5階だったら、オレは階段を上るだけで息ハーハー、キミを抱く元気もなかっただろう。大事な娘の貞操を守るためだ」
すると、娘が「要するに、男の人が来られない部屋なら安心ってことでしょ? それだったら男子禁制の女子専用マンションにして」
結局、娘の希望通り、男性の出入りは管理人がチェックしてくれるマンションに引っ越しました。「これで4年間、安心だ」ホッとした表情の主人に、「ママ、内緒だよ」といっていた娘の一言を聞かせてあげたい。
「私の部屋に呼べなくても、彼の部屋に遊びに行けばいいもんね。パパってバカみたい」
※週刊ポスト2013年4月5日号