国内

『八重の桜』描写 山口・福島県民の怒り温度差にNHKが配慮

 NHKで大人気の大河ドラマ『八重の桜』は、幕末の会津が舞台となっているが、戊辰戦争で会津に攻め入る長州藩が鬼のごとく描かれているため、山口県民の怒りを買っている。

 その一方で、「NHKサイドは山口県には相当気を遣っている」との分析もある。山口県萩市にある萩博物館の一坂太郎・特別学芸員(幕末維新史)がいう。

「吉田松陰役の小栗旬が、ストーリーの必然性と関係なく、会津を訪れたエピソードは印象的だった。松陰が会津に行ったのは史実ですが、八重や山本覚馬に会ったかどうかは分かっていない。松陰の魅力を伝える場面をあえて作ったという気がしますね。

 それに江戸の街や黒船襲来のシーンを撮るときにも萩市でロケをやっている。さしたる必要性がないのにやってきたのは、山口県からの反感を避けるためかもしれません」

 もちろん山口県民の「怒り」と福島県民の「怒り」に相当な温度差があることは事実だ。1980年代には萩市が会津若松市と姉妹都市を結ぼうとしたが、会津若松市の反対で頓挫した経緯がある。

 1996年に当時の萩市長が非公式に会津若松市を訪れた際も、会津若松市長は記者会見の場では握手に応じなかったといわれる。 萩市在住で「長州と会津の友好を考える会」代表の山本貞寿氏がいう。

「郷土に攻め入られた会津の方が持つ思いと、長州の人間が持つ思いとでは、重みが違うのは事実。過去の和解活動は全てうまくいっていないし、歩み寄ろうとしても会津の方には厳しいことをいわれてしまうことも多い。

 細かいことを議論しようとすると、堂々巡りになってしまうので、私はあまり悪口を言い合いたくない。お互いに日本を思う気持ちがあるんだから、少しずつ歩み寄っていければいいと思うんです」

※週刊ポスト2013年4月5日号

関連記事

トピックス

離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(右/Instagramより)
「ママがやってよ」が嫌いな言葉…加藤ローサ(40)、夫・松井大輔氏(44)に尽くし続けた背景に母が伝えていた“人生失敗の3大要素”
NEWSポストセブン
二階堂ふみとメイプル超合金・カズレーザーが結婚
二階堂ふみ&カズレーザーは“推し婚”ではなく“押し婚”、山田美保子さんが分析 沖縄県出身女性芸能人との共通点も
女性セブン
山下美夢有(左)の弟・勝将は昨年の男子プロテストを通過
《山下美夢有が全英女子オープンで初優勝》弟・勝将は男子ゴルフ界のホープで “姉以上”の期待度 「身長162cmと小柄だが海外勢にもパワー負けしていない」の評価
週刊ポスト
2013年に音楽ユニット「girl next door」の千紗と結婚した結婚した北島康介
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン
京都成章打線を相手にノーヒットノーランを達成した横浜・松坂大輔
【1998年夏の甲子園決勝】横浜・松坂大輔と投げ合った京都成章・古岡基紀 全試合完投の偉業でも「松坂は同じ星に生まれた投手とは思えなかった」
週刊ポスト
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志と浜田雅功
《松本人志が11月復帰へ》「ダウンタウンチャンネル(仮称)」配信日が決定 “今春スタート予定”が大幅に遅れた事情
NEWSポストセブン
“新庄采配”には戦略的な狙いがあるという
【実は頭脳派だった】日本ハム・新庄監督、日本球界の常識を覆す“完投主義”の戦略的な狙い 休ませながらの起用で今季は長期離脱者ゼロの実績も
週刊ポスト
夏レジャーを普通に楽しんでほしいのが地域住民の願い(イメージ)
《各地の海辺が”行為”のための出会いの場に》近隣住民「男性同士で雑木林を分け行って…」 「本当に困ってんの、こっちは」ドローンで盗撮しようとする悪趣味な人たちも出現
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗、直近は「マスク姿で元気がなさそう…」スイミングスクールの保護者が目撃
NEWSポストセブン
娘たちとの関係に悩まれる紀子さま(2025年6月、東京・港区。撮影/JMPA)
《眞子さんは出席拒否の見込み》紀子さま、悠仁さま成年式を控えて深まる憂慮 寄り添い合う雅子さまと愛子さまの姿に“焦り”が募る状況、“30度”への違和感指摘する声も
女性セブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
「ローションに溶かして…」レーサム元会長が法廷で語った“薬物漬けパーティー”のきっかけ「ホテルに呼んだ女性に勧められた」【懲役2年、執行猶予4年】
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
「なぜ熊を殺した」「行くのが間違い」役場に抗議100件…地元猟友会は「人を襲うのは稀」も対策を求める《羅臼岳ヒグマ死亡事故》
NEWSポストセブン