芸能

ドリカム吉田美和 兄と慕った“ヘアメイク界の神”の死に涙

 甘い香りがするピンクと白の花が至る所に飾られた会場の中央は、鮮やかな南国の花々で彩られていた。BGMは心地よいハワイアンミュージック。スニーカーや白いワンピース姿の参列者もいた。

 4月30日午前11時、東京・青山葬儀所で執り行われた彼の“お別れ会”は、この斎場では珍しい雰囲気の葬儀だった。

 その会場に、黒のジャケットにサルエルパンツ、黒のハット姿のドリカム(DREAMS COME TRUE)・吉田美和(48才)の姿があった。彼女は前日の通夜に続き、メンバーの中村正人(54才)とともに参列していた。その憔悴しきった顔には、幾筋もの涙の跡があった。

 その日、彼女がお別れをしたのは、4月23日に胃がんで亡くなったヘアメイクアーティストの宮森隆行さん(享年55)だった──。

 宮森さんは「かわいい」を追求し続けたヘアメイク界の神様として知られていた。美容室「esper.」を経営する傍ら、『にほんごであそぼ』(NHK)や野田秀樹氏(57才)の舞台やCM、ファッション誌などで活躍。蒼井優(27才)のショートカットをはじめ、宮沢りえ(40才)、常盤貴子(41才)、綾瀬はるか(28才)、北川景子(26才)、妻夫木聡(32才)、小出恵介(29才)ら多くの著名人のヘアメイクを手がけてきた。

 彼の訃報、そして通夜・告別式については全国紙でも取り上げられた。

「吉田さんと宮森さんのつきあいは20年近くになりますから、もう家族みたいな関係でした。彼の人生はアートそのもの。音楽を愛し、大好きなギターを弾き、膨大な書物を読み、寝るのも忘れて絵を描いたりオブジェを作る。人見知りだけど、仕事に真っ直ぐな生き方を吉田さんは尊敬していて、お兄さんのように慕っていたし、宮森さんのほうも、吉田さんを妹のようにかわいがっていました」(音楽関係者)

 宮森さんのがんがわかったのは昨年の春ごろ。しかし、その時にはもうかなり進行している状態だったという。

「でも宮森さんは生きることを諦めていなかった。死ぬなんて考えてなかったから、誰にも知らせず奥さんと一緒に闘病生活を始めました。手術後はどんどん痩せていきましたから、特に吉田さんには会わないようにしていました。会えばきっと心配をさせるからって。

 それまでいつも仕事の現場では一緒だったし、プライベートでも吉田さんの髪を触るのは宮森さんくらいだったから、彼女は、避けられていると、逆に不安に思ったかもしれません」(前出・音楽関係者)

※女性セブン2013年5月23日号

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