ライフ

天皇の起源は卑弥呼だった!? 「卑弥呼=天照大神」説が浮上

 日本の古代史において、大きな謎となっているのが邪馬台国の女王・卑弥呼。そもそも卑弥呼とは、いったい何者だったのか。

 日本史の教科書に描かれる卑弥呼は、魏志倭人伝の記述を基に、〈神に仕える巫女で、宗教的権威を持つ女王〉とされるのが一般的だ。元佐賀女子短期大学学長の高島忠平氏は、こう指摘する。

「九州北部にある弥生前半の古墳の埋葬様式から、巫女が社会的に高い地位を持ち始め、次第に国を統治できるような巫女が出現した経緯が読み取れる」

 こうした見解がある一方で、実は卑弥呼には、「古事記」や「日本書紀」で天皇の祖神とされている天照大神だとする説もある。

 実在が確実とされる天皇の在位年数から、日本神話に登場する天皇の在位年数を推測すると卑弥呼と天照大神は年代が丁度重なるとし、天照大神は卑弥呼を神格化したものであるとする説だ。専門家はどう見ているのだろうか。

「確かに古くから天照大神説や日本書紀の記述から神功皇后だとする説がある。しかし、魏志倭人伝によれば、当時はまだ邪馬台国と対立する狗奴国が激しく争っている時代で、卑弥呼は日本全国を統一した倭国の女王という立場にない。

 だからこそ、卑弥呼も後ろ盾を求めて魏と通交し、皇帝から『親魏倭王』の称号を得ている。やはり、巫女として邪馬台国という小国連合を治めた女性首長と考えるのが素直な見方だろう」(高島氏)

 卑弥呼も天照大神も女性で生涯夫を持たなかったと伝えられるなど共通項も多いだけに、卑弥呼を天皇の起源とする説にも一応の説得力はあるのだ。

※週刊ポスト2013年5月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
結婚を発表したPerfumeの“あ~ちゃん”こと西脇綾香(時事通信フォト)
「夫婦別姓を日本でも取り入れて」 Perfume・あ〜ちゃん、ポーター創業の“吉田家”入りでファンが思い返した過去発言
NEWSポストセブン
(写真右/Getty Images、左・撮影/横田紋子)
高市早苗首相が異例の“買春行為の罰則化の検討”に言及 世界では“買う側”に罰則を科すのが先進国のスタンダード 日本の法律が抱える構造的な矛盾 
女性セブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン