国際情報

アメリカ・国連で活発化する中韓ロビー活動の実態を解説

 アメリカ、国連を舞台に、年々激しさを増している中国や韓国のロビー活動について産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏が解説する。

 * * *
 中国の対米工作の主体はまず在ワシントンの中国大使館である。アメリカ通の崔天凱大使や鄧洪波首席公使が米側の政府や議会を相手に活発なロビー活動を展開する。「安倍首相は危険なナショナリスト」などという反日プロパガンダ発信は日常の行事に近い。

 中国大使館は日本大使館と異なり、幹部がみな在米経験豊富でワシントンの政治メカニズムに精通している。特にアメリカ議会担当部門十数人は日本大使館の議会班の3~4倍の規模で、米側の議員や補佐官を訪中旅行に頻繁に招き、要人と引き合わせたり、歴史問題で議論を交わしたりしている。

 米国議会の諮問機関「米中経済安保調査委員会」の報告によると、2009年ごろから中国政府は華為技術有限公司などとともにワシントンの大手ロビー企業「国際政府関係グループ」と契約し、年間30万ドルほどの報酬を払ってきた。また中国大使館は大手法律事務所の「ジョーンズ・デイ」と契約し、年間20万ドルほど支払った。いずれも米側の弁護士や元連邦議員を使い、中国側の主張を広める作業を委託したのだ。

 一方、韓国のロビー活動は全米約170万人の韓国系米人が母体となる。選挙権を持つ韓国系米人の動きには米側の議員たちも真剣な注意を向ける。彼らは本国政府の意向に忠実で、とくに反日となると団結する。

 主な組織では「ワシントン慰安婦問題連合(CCWI)」が知られる。下院の慰安婦決議でも活発に動いた。最近ではニュージャージー州などで慰安婦記念碑の設置を推進する「韓国系米人市民強化(KACE)」や「韓国系米人市民活動委員会(KACAC)」といった組織が目立ってきた。

 韓国パワーはさらに韓国系有権者の多いロサンゼルス近郊選挙区選出のエド・ロイス下院外交委員長を取り込み、5月に下院本会議で日本の「戦時の暴行」を非難する演説をさせたことでも知られる。

 米司法省への届け出によると、12年1月までの半年間に米国内でロビー活動やPR活動のために、中国側から計900万ドル(12組織)、韓国側から計1160万ドル(23組織)が支払われている。これらは氷山の一角だ。

 ひるがえって日本はどうか。政府や外務省は中国や韓国に一切反論しようとしない。このままでは中韓の捏造された歴史が世界中に広まってしまいかねない。

※SAPIO2013年8月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

妻とは2015年に結婚した国分太一
《セクハラに該当する行為》TOKIO・国分太一、元テレビ局員の年下妻への“裏切り”「調子に乗るなと言ってくれる」存在
NEWSポストセブン
闇バイトにはさまざまなリスクが…(写真/ゲッティイメージズ)
《警察の仮想身分捜査導入》SNSで闇バイトの求人が減少する一方で増える”怪しげな投稿” 「闇バイト」ではないキーワードが浮上
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一
「給料もらっているんだからさ〜」国分太一、若手スタッフが気遣った“良かれと思って”発言 副社長としては「即レス・フッ軽」で業界関係者から高評価
NEWSポストセブン
ブラジル訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《クッキーにケーキ、ゼリー菓子を…》佳子さま、ブラジル国内線のエコノミー席に居合わせた乗客が明かした機内での様子
NEWSポストセブン
1985年春、ハワイにて。ファースト写真集撮影時
《突然の訃報に「我慢してください」》“芸能界の父”が明かした中山美穂さんの最期、「警察から帰された美穂との対面」と検死の結果
NEWSポストセブン
”アナウンサーらしくないアナウンサー“と評判
「笑顔でピッタリ腕を絡ませて…」元NMB48アイドルアナ・瀧山あかねと「BreakingDown」エース・細川一颯の“腕組み同棲愛”《直撃に「まさしくタイプです(笑)」》
NEWSポストセブン
『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一(右/番組の公式サイトより)
《TOKIO・国分太一が無期限活動休止》「演者とスタッフは“独特の距離感”だった」関係者が明かす『鉄腕DASH』現場の“特殊な事情”
NEWSポストセブン
グラビアのオファーも多いと言われる中川安奈アナ(本人のインスタグラムより)
《SNSで“インナーちらり笑”》元NHK中川安奈アナが森香澄の強力ライバルに あざとキャラと確かなアナウンス技術で「ポテンシャルは森香澄以上」との指摘
週刊ポスト
『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一(右/番組の公式サイトより)
《スタッフに写真おねだりか》TOKIO・国分太一は「コンプライアンス上の問題行為が複数あった」…日本テレビに問い合わせた結果
NEWSポストセブン
不倫が報じられた錦織圭、妻の観月あこ(Instagramより)
《錦織圭・モデル女性と不倫疑惑報道》反対を押し切って結婚した妻・観月あことの“最近の関係” 錦織は「産んでくれたお母さんに優しく接することを心がけましょう」発言も
NEWSポストセブン
お疲れのご様子の雅子さま(2025年、沖縄県那覇市。撮影/JMPA) 
雅子さまにささやかれる体調不安、沖縄訪問時にもお疲れの様子 愛子さまが“異変”を察知し、とっさに助け舟を出される場面も
女性セブン
インドのナレンドラ・モディ首相とヨグマタ・相川圭子氏(2023年の国際ヨガデー)
ヨグマタ・相川圭子氏、ニューヨーク国連本部で「国際ヨガデー」に参加 4月のNY国連協会映画祭では高校銃乱射事件の生存者へ“愛の祝福”も
NEWSポストセブン