国内

海江田党首続投の流れを作ったのは輿石氏ら“民主党の古狸”

 大河ドラマ『八重の桜』では、賊軍として一敗地に塗れた会津藩士たちは、再興を目指して辺境の地・斗南(下北半島)に赴いたが、先の総選挙・参院選で歴史的敗北を喫した民主党は、いまだに党本部の中で敗戦の責任のなすり合いを続けている。

 結党以来最少の17議席に激減させた責任を取って腹を切ったのは、“藩主”の海江田万里・代表ではなく、“家老”の細野豪志・幹事長。だが、これは藩主の命を守るためではない。

「一刻も早く辞任を表明することで海江田さんを道連れにする。自発的な辞任なら、いずれ細野復活の道も開けるはず」

 細野氏に近い議員はそんな皮算用を弾いていたが、海江田氏が続投宣言をしたために、刺し違え計画は“犬死に”に終わり、後任には日立労組出身の大畠章宏・元国交相が就任した。その流れを作ったのが“民主党の古狸たち”だった。

「参院選前から、輿石東・元幹事長や横路孝弘・元衆院議長ら旧社会党系の議員は“負けても続投しろ”と海江田さんに求めていた。

 海江田さんが辞めたら、左派グループには適当な後任候補のタマがない。そうすると前原誠司・元代表や玄葉光一郎・元外相ら右派が実権を握り“左派を切って自民や維新に接近する”という動きが活発化する。それを避けるために海江田続投をゴリ押しした」(左派グループの議員)

 内ゲバは政権党時代から民主党のお家芸だったが、選挙惨敗という“ショック療法”でもその病気が治らないのだから重症である。内紛に敗れた細野氏は、みんな、維新との連携模索を開始し、「党を割る覚悟はできているだろう」(前出の細野氏に近い議員)という。

 また、中間派と見られる長妻昭・元厚労相、馬淵澄夫・元国交相らも「党三役就任の打診を断わった」(同前)とされ、露骨に海江田体制と距離を置いている。
 
※週刊ポスト2013年8月16・23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン