国際情報

金正恩政権で予想される崩壊シナリオ 「朝鮮統一」「暗殺」等

 金正日総書記の死後、世襲によって強引に権力を掌握し、それなりに安定した政権運営を進めているかに見える北朝鮮の“三代目”金正恩第一書記だが、厚いベールの向こうでは、「政権崩壊」へのカウントダウンが始まっているという。“北朝鮮崩壊”で予想されるシナリオとはどんなものか。新刊『北朝鮮はどんなふうに崩壊するのか』(小学館)を上梓したジャーナリスト・惠谷治(えや・おさむ)氏が解説する。

 * * *
 北朝鮮は体制維持のためにミサイル・核開発を続けざるを得ない状況にある。かつて金正日が「人民たちがろくに食べることもできず、豊かな生活もできないことを知っている」と言いながら、ミサイルや核の開発に平然として莫大な予算を投じてきたように、金正恩もまた「非核化」提案を受け入れるわけにはいかないのだ。

 となると、そこから導かれる結論は、限られてくる。金正恩政権が崩壊するとすれば、どのようなシナリオが予想されるのだろうか。

【1】金正恩暗殺による混乱での政権交代(労働党支配の継続)
【2】軍事クーデターによる政権転覆(新政権の樹立)
【3】民衆蜂起を契機とした政権崩壊(難民流出の可能性)
【4】韓国の左翼政権の再登場で「連邦制」による朝鮮統一
【5】中国人民解放軍の進出(傀儡政権の成立)
【6】米韓軍による北進・占領(韓国による統一)

 思いつくままに並べても、以上のような状況が考えられるが、その経過や結果はさらに複雑になるはずで、予想は困難である。現在の北朝鮮は、表面的には安定しているように見える。しかし、金正恩体制の内部は決して安定しておらず、いつ北朝鮮が崩壊しても不思議ではない。

※惠谷治著/『北朝鮮はどんなふうに崩壊するのか』より

関連キーワード

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン