国内

中韓仕掛ける歴史問題の対日闘争 米に執拗で巧妙な働きかけ

 安倍首相の靖国神社参拝をめぐって歴史問題をてこにした中国、韓国からの牽制がますます強くなっている。アメリカを巻き込んだ中韓の対日攻勢についてジャーナリストの櫻井よしこ氏が解説する。

 * * *
 歴史問題の構図はこれまでは「日本対中国・韓国」でした。しかし、橋下徹氏の慰安婦発言は波紋を呼びました。無論、橋下発言だけが原因ではありませんが、現実を見ると、歴史問題については「日本対米中韓」の構図ができつつあるのも確かです。日本が世界で孤立しかねない状況が、確かにあるのです。

 アメリカ国務省は在日米軍に風俗の活用を勧めた橋下氏の発言を受けて「言語道断で侮辱的」と述べ、強い拒否反応を示しました。シーファー元駐日大使も記者会見で、靖国参拝については一定の理解を示しましたが、慰安婦問題については「いかなる正当化もできない」と厳しく批判しました。

 アメリカの世論が中国・韓国の側に立ち、日本を責める状況が生まれているのです。

 歴史問題はいうまでもなく中韓が仕掛けている対日闘争ですが、両国は日本の同盟国であるアメリカに影響を及ぼすべく、執拗かつ巧妙に働きかけてきました。

 中国は2010年7月に中国版CNNともいえる国営新華社通信運営の「CNCワールド」という国際放送を開始し、24時間、365日休むことなく中国の立場に立ったメッセージを発信し続けています。CNCはニューヨークのタイムズスクエアに大きなスタジオを構え、引き抜いてきた有能なアメリカ人キャスターに、流暢な英語で中国の視点に立った情報などを伝えさせています。

 CNCでの放送に加えて中国はまた、アメリカを中心とする海外のシンクタンクや大学、研究者、シンポジウムなどに巨額の寄付をし、識者や政治家、マスコミなど、さまざまなレベルに働きかけ、日本がいかに卑劣な国であるかを伝え続けています。世界中に増え続けている中国語教育機関である孔子学院も、そうした情報戦略の一環です。中国政府が毎年費やす対外広報予算はなんと、9000億円を超えます。

 こうして中国の視点に基づいた情報が、継続的かつ大量にアメリカに注入されてきた結果、中国の主張がアメリカの識者や指導層にまで浸透し、ボディブローのように効き始めているのではないでしょうか。それが「日本対米中韓」へと構図が変化した一因であることは間違いありません。

※週刊ポスト2013年8月16・23日号

トピックス

全米野球記者協会ニューヨーク支部主催のアワードディナーに出席した大谷翔平と、妻・真美子さん(左/時事通信フォト、右/提供:soya0801_mlb)
《真美子さんが座る椅子の背もたれに腕を回し…》大谷翔平が信頼して妻を託す“日系通訳”の素性 “VIPルーム観戦にも同席”“距離が近い”
NEWSポストセブン
司法省がアンドリュー元王子の写真を公開した(写真/Getty Images)
《白シャツ女性に覆いかぶさるように…》エプスタイン・ファイルで新公開されたアンドリュー元王子とみられる人物の“近すぎる距離感の写真” 女性の体を触るカットも
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
【2・8総選挙「大阪1〜10区」の最新情勢】維新離党の前職が出た2区、維新前職vs自民元職vs野党候補の5区で「公明党票」はどう動くか
NEWSポストセブン
なぜ実の姉を自宅で監禁できたのか──
《“お前の足を切って渡すから足を出せ”50代姉を監禁・暴行》「インターホンを押しても出ない」「高級外車が2台」市川陽崇・奈美容疑者夫妻 “恐怖の二世帯住宅”への近隣証言
NEWSポストセブン
東京拘置所(時事通信フォト)
〈今年も一年、生きのびることができました〉前橋スナック銃乱射・小日向将人死刑囚が見せていた最後の姿「顔が腫れぼったく、精神も肉体もボロボロ」《死刑確定後16年で獄中死》
NEWSポストセブン
間違いだらけの議事録は「AIのせい」(写真提供/イメージマート)
《何でもAIに頼る人たち》会社員女性が告白「ケンカの後、彼から送られてきた”彼女の方が悪い”とAIが回答したスクショ」ほどなく破局
NEWSポストセブン
国際ジャーナリスト・落合信彦氏
国際ジャーナリスト・落合信彦氏が予見していた「アメリカが世界の警察官をやめる」「プーチン大統領暴走」の時代 世界の“悪夢”をここまで見通していた
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト、2025年10月15日)
《頬がこけているようにも見える》高市早苗首相、働きぶりに心配の声「“休むのは甘え”のような感覚が拭えないのでは」【「働いて働いて」のルーツは元警察官の母親】 
NEWSポストセブン
ジェンダーレスモデルの井手上漠(23)
井手上漠(23)が港区・六本木のラウンジ店に出勤して「役作り」の現在…事務所が明かしたプロ意識と切り開く新境地
NEWSポストセブン
元日に結婚を発表した女優の長澤まさみ(時事通信フォト)
長澤まさみ「カナダ同伴」を決断させた「大親友女優」の存在…『SHOGUN』監督夫との新婚生活は“最高の環境”
NEWSポストセブン
国際ジャーナリスト・落合信彦氏
【訃報】国際ジャーナリスト・落合信彦氏が死去、84歳 独自の視点で国際政治・諜報の世界を活写 
NEWSポストセブン
薬物で急死した中国人インフルエンサー紅紅(左)と交際相手の林子晨容疑者(右)(インスタグラムより)
「口に靴下を詰め、カーテンで手を縛り付けて…」「意識不明の姿をハイ状態で撮影」中国人美女インフルエンサー(26)が薬物で急死、交際相手の男の“謎めいた行動”
NEWSポストセブン