スポーツ

現役時代の落合博満 常識に喧嘩売り数々の権利を勝ち取った

 監督を退任してから2年ぶりに現場復帰し、中日ドラゴンズのゼネラルマネージャー(GM)に就任した落合博満氏(59)。現役時代の落合氏は球界の“常識”に無謀とも見える喧嘩を売り、周囲の批判をよそに数々の権利を勝ち取ってきた。

 1985年に発足した日本プロ野球選手会は、選手たちの労働組合である。落合氏は副会長として選手の権利拡大に尽力した。

 6年後の1991年には、日本初の年俸調停を申し立てている。これは野球協約で認められている権利であり、落合氏の申請は、経営側の提示に泣き寝入りしがちな選手たちに発憤を促す目的が大きかったが、当時の世間やマスコミからは「金の亡者」と罵られる屈辱を味わう。無力さを実感した落合氏は、翌年、選手会を脱会している。

 それでも落合氏は「オレ流」を貫いた。1993年には、フリージェント(FA)制度の利用“第一号”として、巨人に移籍する。スポーツジャーナリストの永谷脩氏がいう。

「一番の狙いはFA制度を形骸化させないことにあったし、巨人に入団したのも“最も自分に高い評価をくれたから”というものだった。この時も世間の評価は“銭ゲバ”と散々だったが、彼は“何の保障もない個人事業主であるプロ野球選手として当然の権利”として全く意に介さなかった」

 世間から顰蹙(ひんしゅく)を買い、球界の慣例から逸脱しても信念を曲げない強さは、必然的に敵も作った。

 事実、中日での前政権時代も氏の実力を高く買う白井オーナー以外の球団フロントは「反落合」一色で、監督就任8年間はすべてAクラス、うち4回でリーグ優勝という驚異的な成績を残したにもかかわらず、2011年には追い出されるように球団を去った。今回のGM就任で現球団社長をはじめ多くのフロント陣が交代したのも、高木政権時代のチームの低調を追い風にして「反落合派一掃」を落合氏が突きつけたからだと噂されている。

※週刊ポスト2013年11月1日号

トピックス

新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン