芸能

紅白歌合戦 「紅白はとっくの昔に死んでいる」と音楽評論家

 年末恒例のNHK紅白歌合戦。2004年に初めて40%(第2部)を下回って以降は、視聴率40%台をキープできるかが焦点となってきた。昨年は42.5%を記録したが、今年はドラマ『半沢直樹』(TBS系)の42.2%を抑えて年間1位の視聴率をとれるかにも注目が集まっている

 今年の紅白はE-girls、泉谷しげる、NMB48、サカナクション、Sexy Zone、クリス・ハートら9組が初出場。そのほかの歌手をみても、大物アーティストや『あまちゃん』関連の出演も発表されなかった。音楽評論家の富沢一誠氏はこう言う。

「『半沢直樹』を上回る視聴率をとれるかは微妙なところでしょう。唯一の見どころは北島三郎の紅白引退ぐらいですね。泉谷しげるにしても、それほどの注目度はない。今さら『春夏秋冬』を歌っても新鮮味がない。今年、昭和の名曲を集めたカバーアルバムを出していますが、アルバムで一緒に歌っている大竹しのぶ(『黒の舟唄』)とならまだ話題になるんですが…」

 今回、NHKサイドとしても複数の大物アーティストにオファーをしたようだが、いい返事をもらえなかったという。

「山下達郎、井上陽水、ザ・タイガースなどからは断られたようです。アーティスト側からすれば、落ち目の紅白に出るメリットは、はっきり言ってありませんから」(スポーツ紙芸能担当記者)

 ここ最近は、紅白でしか見られないような大物の出演はほとんどないと言っていい。それなら演出を工夫するしかないのだが、別のスポーツ紙芸能担当記者は、「美輪明宏の出演など、音楽の演出の試行錯誤は随所に見られる」としながらも、こんな指摘をする。

「ワイドショー的な話題づくりもしていいはず。たとえば先に放送された『FNS歌謡祭』では恋人同士だった小室哲哉と華原朋美の共演が話題を呼びましたが、紅白もこういった演出を参考にすべきでしょう。昔の紅白は松田聖子と郷ひろみを共演させたり、あの手この手を使ってワイドショーやスポーツ紙でネタになりそうな演出をやっていました。視聴率アップを狙うなら、なりふり構わずそんな手も使うべきです」

 これまで幾度となく廃止論まで出てきた紅白だが、今後については、前出・富沢氏はこう厳しく指摘する。

「もはや時代が紅白を必要としていない。昔の紅白は視聴率が80%を超えることもありました。もちろん、当時と今ではテレビを見る環境なども変わってきていますが、当時はその年を代表する歌手が出場し、その年の代表曲で1年の締めくくりとなってきました。だからそれだけ注目を集め、国民的番組といわれたわけです。今では、その年の代表曲がない歌手も出場し、過去のヒット曲を歌う歌手も珍しくなくなった。本来の紅白の主旨とは変わってきています。紅白というブランドの中でやっているだけで、もはや紅白とは言えないのです。賞味期限の切れた紅白はとっくの昔に死んでいるということです」

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン