病院側は今後、「放送倫理・番組向上機構」に審議を依頼する意向を示しているが、気になるのはスポンサーの動向だ。「人権問題」と抗議を受けたドラマについてどんな対応が予測されるのか。
「スポンサーはキレイ事好きなので、クレームについて神経質になるでしょう。ただ初回の視聴率が14.0%と、最近のドラマの中ではかなりいい。変な言い方になるが、この騒動でさらに上がることも見こまれる。そこに納得するかもしれない」(テレビ局関係者)
しかし第2回は視聴率が下がり、スポンサーから降板する企業も出てきた。
フィクションがどこまで現実に責任を持たなければならないか、難しい。しかし「赤ちゃんポスト」が設置されているのは国内では慈恵病院しかなく、容易に「モデル」が連想される。放送中止も謝罪もしなくとも、ドラマの制作関係者は同病院に電話ではなく直接赴いて、「真摯に」膝を交えて話あったらどうだろうか。そうすることでよりストーリーに膨らみがもたらされることもあるのではないか。
日本テレビはドラマの放送前の12日深夜、「NNNドキュメント’14 」で 故・大島渚の幻のドキュメンタリー「忘れられた皇軍」を丸々放映して、ネットで高い評価を浴びた。私も見て感動し、今回の騒動と合わせて「同じ局でもドラマとフィクションでこんなにスタンスが違うのか」と、あらためてテレビというメディアについて考えた。もし大島渚がもしこのドラマを見たら、どのような感想を抱いたろうか。