「国情院の工作員が4人、事件発覚前の1月16日に日本に入国した。われわれはもちろん接触相手や会話の内容などの把握に努めたが、その際、たまたまこんな話が確認された。
『Aは死んだようだ』
『内閣府の人間だな?』
調べてみると、確かにA氏という人物が内閣府におり、留学先から韓国に渡航し、行方不明になっていることが確認された。この時点では死亡したことはもちろん、事件について何も公になっていないのに、彼らはどうしてわかっていたのか。後ほど彼が死んでいたことが明らかになってから、背筋が寒くなった」
事実とすれば、A氏は何らかの形で韓国の工作活動に携わり、国情院の監視下にあったということだ。友人に語った「日本に帰れない」は、別の意味も含んでいたのだろうか。
「A氏はその工作活動の過程で韓国側の裏切り行為に遭い、船からリリースされる形で、ボートで流されてきたのではないか」(前出・公安関係者)
にわかには信じがたい話だが、もしこれが事実だとすれば、確かに箝口令を敷かざるを得ない重大なインテリジェンス事件である。
※週刊ポスト2014年2月21日号