スポーツ

岡田阪神JFK誕生が分岐点か FA人的補償の約6割が救援投手

 今年のプロ野球は、史上最多となる5人もの選手がフリーエージェント(FA)制度の人的補償として移籍する。一岡竜司(巨人→広島)、脇谷亮太(巨人→西武)、中郷大樹(ロッテ→西武)、藤岡好明(ソフトバンク→日本ハム)、鶴岡一成(DeNA→阪神)だ。

 鶴岡はDeNAの正捕手、脇谷もかつて巨人のレギュラーを張った選手。中郷、藤岡は2年連続30試合以上に登板している貴重な中継ぎである。彼らのようなレギュラー級の選手が人的補償として移籍することになった要因には、投手の分業制や、レギュラーと控え野手の差が縮まったことなどが背景として指摘されている。

 今オフでFA人的補償による移籍は20選手となったが、2005年オフからの10年間で実に17選手を数える。かつては人的補償ではなく金銭を受け取る例が多かったが、この10年で人的補償が急激な伸びを見せた要因のひとつとして、あるスポーツライターは2005年にリーグ制覇した阪神の“JFK”とロッテの“YFK”をターニングポイントに挙げる。

「阪神の岡田彰布監督(当時)が生み出したJFK(ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之)の影響が大きいでしょう。後ろにクローザー級の投手を3枚持ってくることが、2005年の阪神の優勝に大きな影響を与えました。この年、最多勝を獲得した下柳剛(阪神)が規定投球回に達しなかったことからも、いかにJFKの存在が際立っていたかがわかります。

 同じ年、ボビー・バレンタイン監督が率いたロッテも、薮田安彦、藤田宗一、小林雅英の3人で“YFK”と呼ばれる必勝パターンを確立し、日本一に輝いています。

 これ以降、各球団ともリリーフ陣をそれまで以上に重要視するようになった。翌年の横浜は木塚敦志、川村丈夫、加藤武治、マーク・クルーンの4人で“クアトロK”と呼ばれましたし、そうした例は多い。昨年優勝した巨人も、“スコット鉄太朗”(スコット・マシソン、山口鉄也、西村健太朗)という強力な3枚が抑えに控えていました。今では、当たり前になりましたが、FA施行時の20年ほど前には見られなかった戦略です」

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン