ビジネス

シニア起業成功のコツ 経験だけにこだわらず学ぶ姿勢が大事

 中小企業白書2012年版によれば、起業した人が最も多い年代は60~64歳で、次が65歳以上。起業家というと若い人のイメージが強いが、実際には“シニア起業家”のほうがずっと多いのだ。

 起業しようとする人には、補助金などさまざまな支援策がある。中小企業庁の「創業補助金」は限度額は200万円と小さいものの競争倍率は1.5倍の“広き門”。また、日本政策金融公庫による「シニア起業家支援資金」という融資制度を使えば、7200万円を上限に0.55~3.85%の利率でお金を借りることができる。

 銀座で起業家のためのレンタルオフィスを運営し、起業準備から設立後の運営支援までさまざまなサポートを行なっている「銀座セカンドライフ」の片桐実央社長がいう。

「レンタルオフィスの契約社は現在1070社。1日2社ずつ、月間で50~60社ずつ増えています。

 うち7割が50~60代の方で、70代の方もいる。必要な初期費用は人それぞれですが、会社設立、チラシ作成、パソコン購入、名刺作成など、30万~50万円程度あれば可能です」

 起業イコール会社設立、というわけではない。

「働いていた経験を生かして新たに会社を立ち上げるケースもあれば、自分の得意なことを生かし、自宅で小さな規模で事業をされる方もいます。

 例えば、書道の得意な方が書道教室を開くといったケースですね。シニアの方からの相談が多いのは年金との関係ですが、起業しても個人事業主として仕事されている分には1000万円稼いでも年金の受取額は変わりません。ただし、法人化した場合には、受取額に影響する可能性があります」(社会保険労務士の菅野美和子氏)

 もちろん起業にはリスクがつきものだが、若い頃からの夢を抱き続けている人にとっては、魅力的な選択肢になるはずだ。

 前出・片桐氏によれば、シニア世代の起業成功のコツは、「それまでの経験だけにこだわらず、学ぼうとする姿勢がある人が、仕事の業績も順調のようです」とのことだ。

 いまさらガツガツ働いても体力的に無理があるし、なにより残された時間を楽しめないのでは人生がもったいない。

※週刊ポスト2014年3月28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン