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2014.03.31 07:00  週刊ポスト

韓国によるベトナム派兵 軍事独裁体制を維持するためだった

 1964年、韓国はアメリカ政府からの要請を受けベトナム戦争への派兵を決定。1964年から1973年までに延べ32万人を派兵した。

 なぜそこまで韓国はベトナム戦争に深く関わる必要があったのか。それを読み解くには、当時の韓国社会の状況を知る必要がある。

 朴槿恵・現大統領の父・朴正熙(パク・チョンヒ)氏が陸軍少将の地位で軍事クーデターを起こし、韓国大統領に就任したのは、ベトナム派兵決定の前年だった。軍事独裁体制を敷く朴大統領の権力基盤はもちろん軍隊。だが当時、アメリカは韓国軍の兵力を削減する計画を進めていた。韓国人ジャーナリストが説明する。

「朝鮮戦争の休戦協定を受けて1954年、共産圏である北朝鮮や中国の脅威から韓国を守るため、アメリカが韓国軍の軍事費をサポートすることになった。しかし、それから10年ほど経つとアメリカは韓国軍維持に巨額の財政支出を続けることに難色を示し始める。そして、米政府は韓国軍と在韓米軍を合わせて計25万人を削減する案を韓国に提示した。

 それに対し、自らの権力基盤が弱体化すると思った朴大統領が焦った。そこで朴氏は“対反共戦争”への参加、つまりベトナムへの大軍派兵に踏みきって、軍の温存に成功した」

 さらに朴氏は、派兵の見返りとしてアメリカからの軍事装備の提供や訓練費のアメリカ負担など、安全保障を強化する支援も得た。実際、軍事援助額はベトナム戦争中に大幅に増加。それまで2億ドル未満だった軍事援助額は1968年に3.8億ドル、1969年には4.8億ドルにまで膨れあがった。派兵の理由はそれだけではない。

「1965年の日韓協定締結を控えて大規模な反政府デモが起きるなど、政権批判が強まっていた。そこで国外のトピックに国民の目を逸らせる必要があった。いずれにせよ、派兵は朴大統領の軍事独裁体制を維持するための手段だった」(同前)

※週刊ポスト2014年4月4・11日号

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