ライフ

腸内からのアンチエイジング 加齢による腸疾患抑制にも期待

パスツール研究所からテレビ電話で登壇のジェラール・エベール博士

 乳酸菌といえば、これまで「腸にすむ善玉菌を増やし、悪玉菌を減らして、腸内環境を整える」という働きに注目が集まっていた。しかし最新の研究では、ある乳酸菌に「腸がもつ“バリア機能”に働きかける」可能性があり、加齢に伴う腸の機能低下や疾患を抑制することがわかってきた。その乳酸菌が『LB81乳酸菌』。健康長寿の国として知られるブルガリアで昔からヨーグルトを作る際に使われてきた乳酸菌『ブルガリア菌2038株』と、ヨーグルトによく使用される『サーモフィラス菌1131株』を合わせたものだ。

 今回の研究結果は、「乳酸菌のアンチエイジング効果」をテーマとした、フランスのパスツール研究所と明治の共同研究を通して明らかになり、3月20日に開催されたセミナーで発表された。

 ヒトの腸には、500種類もの腸内細菌が棲んでおり、その数は1兆個にも上るといわれる。腸内細菌には、ヒトに有用な「善玉菌」と有害な「悪玉菌」、そのうち優勢な方の味方につく「日和見菌」がいて、腸内細菌叢(腸内フローラ)を形成している。パスツール研究所のジェラール・エベール博士は、こう語る。

「研究ではマウスを使って、老化が腸にどのような影響を与えるか調べました。その結果、第1に腸内細菌のバランスは加齢と共に変化し、悪玉菌が優勢になる傾向があること。第2に、加齢によって腸の“免疫システム”が正常に保たれなくなることもわかったのです」

 免疫システムの中で、明らかに変化したのが、T細胞とB細胞(いずれもリンパ球の一種)に関する値。加齢の影響でこれらが減少すると、腸内で炎症が起こりやすくなる。そこでエベール博士らのチームは、老化したマウス(24か月齢/人間でいうと80才前後)にLB81乳酸菌を使用したヨーグルトを与えたところ、T細胞、B細胞に対する老化の影響が抑えられ、腸の炎症そのものも抑えられたことがわかった。さらに、老化したマウスの腸内フローラが改善され、若いマウス(2か月齢/人間でいうと30才前後)並みのバランスに近づいていたという。

「LB81乳酸菌を摂取したマウスでは、腸の老化が改善されたのです。また、この乳酸菌を摂ることで、大腸炎など、加齢に伴う腸の疾患も抑制できると考えられます」(エベール博士)

関連キーワード

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(Instagramより)
〈シ◯ブ中なわけねいだろwww〉レースクイーンにグラビア…レーサム元会長と覚醒剤で逮捕された美女共犯者・奥本美穂容疑者(32)の“輝かしい経歴”と“スピリチュアルなSNS”
NEWSポストセブン
スタッフの対応に批判が殺到する事態に(Xより)
《“シュシュ女”ネット上の誹謗中傷は名誉毀損に》K-POPフェスで韓流ファンの怒りをかった女性スタッフに同情の声…運営会社は「勤務態度に不適切な点があった」
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(時事通信社/読者提供)
《動機は教育虐待》「3階建ての立派な豪邸にアパート経営も…」戸田佳孝容疑者(43)の“裕福な家庭環境”【東大前駅・無差別切りつけ】
NEWSポストセブン
未成年の少女を誘拐したうえ、わいせつな行為に及んだとして、無職・高橋光夢容疑者(22)らが逮捕(知人提供/時事通信フォト)
《10代前半少女に不同意わいせつ》「薬漬けで吐血して…」「女装してパキッてた」“トー横のパンダ”高橋光夢容疑者(22)の“危ない素顔”
NEWSポストセブン
露出を増やしつつある沢尻エリカ(時事通信フォト)
《過激な作品において魅力的な存在》沢尻エリカ、“半裸写真”公開で見えた映像作品復帰への道筋
週刊ポスト
“激太り”していた水原一平被告(AFLO/backgrid)
《またしても出頭延期》水原一平被告、気になる“妻の居場所”  昨年8月には“まさかのツーショット”も…「子どもを持ち、小さな式を挙げたい」吐露していた思い
NEWSポストセブン
初めて万博を視察された愛子さま(2025年5月9日、撮影/JMPA)
《万博ご視察ファッション》愛子さま、雅子さまの“万博コーデ”を思わせるブルーグレーのパンツスタイル
NEWSポストセブン
憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン