ライフ

脳腫瘍フレンチブルドッグの頭蓋骨 3Dプリンタを使って修復

 犬の長寿化に伴い、重い病気を患う犬も増える。そんななか、最新の専門技術を身につけ、腕を磨き続ける、頼もしい“名医”も登場している──。

「脳神経の病気や障害の治療において、世界の誰かに治せて、自分が治せないものがないように、切磋琢磨しています」

 力強くそう語るのは、アツキ動物医療センターの院長・井尻篤木さん。きっかけは、脳腫瘍が見つかった犬の飼い主からの「治してほしい」という切実な言葉。なんとかその期待に応えたいと滋賀医科大学の門をたたき、まず人の医療の脳神経外科を学ぶことからスタートした。

 現在、同センターには先進的な設備を導入。顕微鏡を使ったマイクロサージェリー(超微細手術)で、肉眼ではできない細かい施術も可能にした。また、事前の検査だけでなく、手術中にもCT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像法)で画像を撮影し、常に最新の状態を確認しながら行う最先端の手術法を用いている。

 さらに、京都大学との共同研究プロジェクトでは、3Dプリンターで人工骨を製作する実験に取り組み、脳腫瘍と診断されたフレンチブルドッグの手術では、腫瘍摘出後、3Dプリンターで作ったインプラントで頭蓋骨を修復した。

「獣医療は飼い主の切実な希望のもと発展していきます。われわれはその気持ちに応えられるよう、情熱をもって励んでいます」と語る井尻さん。世界中が注目する脳神経外科のパイオニアとして、日々邁進している。

※女性セブン2014年4月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
理論派として評価されていた桑田真澄二軍監督
《巨人・桑田真澄二軍監督“追放”のなぜ》阿部監督ラストイヤーに“次期監督候補”が退団する「複雑なチーム内力学」 ポスト阿部候補は原辰徳氏、高橋由伸氏、松井秀喜氏の3人に絞られる
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
メキシコの有名美女インフルエンサーが殺人などの罪で起訴された(Instagramより)
《麻薬カルテルの縄張り争いで婚約者を銃殺か》メキシコの有名美女インフルエンサーを米当局が第一級殺人などの罪で起訴、事件現場で「迷彩服を着て何発も発砲し…」
NEWSポストセブン
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年11月6日、撮影/JMPA)
「耳の先まで美しい」佳子さま、アースカラーのブラウンジャケットにブルーのワンピ 耳に光るのは「金継ぎ」のイヤリング
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン