ビジネス

赤字零細経営多い築地仲卸 豊洲移転で半分近くが廃業見込み

 年間取扱高4000億円以上を誇る“世界最大の魚市場”築地市場。海外からの観光スポットとしても注目を集めるが、その華やかなイメージのウラで、どのように巨額の魚マネーが動いてきたかは、これまでベールに包まれてきた。本誌連載「サカナとヤクザ」で密漁という業界最大のタブーを暴いた鈴木智彦氏が、ついに本丸へ潜入した。

 * * *
 師走の凍てつく午前2時、原付バイクを走らせた。自宅のある練馬から1時間、股引を2枚穿き、作業着にカッパを重ねても体が震える。行き先は世界最大の魚市場──東京・築地の魚河岸だ。ネットで老舗仲卸の求人を見つけたのは1週間前だった。応募すると即決で、翌日から軽子(かるこ)と呼ばれる運搬人として働き始めた。

 仲卸は築地に7社ある卸業者から、直接魚を買える鑑札を持った業者のことである。売買参加権の鑑札を持たない業者は、この仲卸を通じてしか魚が買えない。卸→仲卸→小売店→消費者という流れを経て魚が売買され、1回の商いあたり1割から3割の利益が上乗せされる。仲卸と小売の間に、「納め屋」という仲介業者がさらに挟まる場合もある。

 たとえば卸業者がキロ700円で鮭を売ったとしよう。これを買った仲卸は原価の700円に1割の利益を上乗せし、770円で小売店に売る。小売店はこれに3割から5割の利益を乗せ、1000円から1200円程度で売るのだ。

「ただし、相場がほぼ確定している魚もある。旬の時期のサンマは、よほどのことがない限り、1匹100円程度が相場だ。逆算すると70円程度の卸値だが、これが築地では1匹5円で買えたりするから気が抜けない」(仲卸業者の役員)

 底値でサンマを買いつけ、100円で小売店に売り抜ければ、5円で買ったサンマが100円に化ける。株式市場に似たギャンブル性がある。仲卸業は、荷主から魚を買い付け、それに利益を乗せて転売する。魚の値段を大きく左右する存在である。理論的にはメーカーと消費者の間の工程が少なくなればなるほど、魚の価格は安くなる。

 が、仲卸にも存在理由はある。

関連記事

トピックス

結婚を発表した長澤まさみ(時事通信フォト)
《トップ女優・長澤まさみの結婚相手は斎藤工と旧知の仲で…》インスタ全削除の“意味深タイミング”
NEWSポストセブン
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「クマが人里に降りてくるのは必然」「農業は野生動物に対する壮大な餌付け」 知床・ロシアでヒグマを撮った動物写真家が語る “現代の人間に欠けている自然観”
NEWSポストセブン
11人家族の宮前家
《子ども9人“大家族のパン屋さん”》「店員さんが注文を覚えきれなくて(笑)」11人家族のインフレ“金銭事情”と、大人数子育てで培ったこと「マニュアル本は役に立たない」
NEWSポストセブン
長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
インフルエンサーのぴきちんさん(Instagramより)
《2年連続ポストシーズン全試合現地観戦》大谷翔平の熱狂的ファン・ぴきちん、全米巡る“体力勝負”の脅威の追っかけはなぜ可能なのか
NEWSポストセブン
2024年に『ウチの師匠がつまらない』を上梓
「視聴率とれたらオレのおかげ?罰が当たるよ」三遊亭好楽さんが『笑点』メンバーや裏方に愛され続ける“お客さんファースト”  地方営業で土産を爆買いも
NEWSポストセブン
古谷敏氏(左)と藤岡弘、氏による二大ヒーロー夢の初対談
【二大ヒーロー夢の初対談】60周年ウルトラマン&55周年仮面ライダー、古谷敏と藤岡弘、が明かす秘話 「それぞれの生みの親が僕たちへ語りかけてくれた言葉が、ここまで導いてくれた」
週刊ポスト
小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン