ライフ

家紋の起源 平安貴族が自分の牛車を探す目印に利用との記録

 一説には10万種類あるともいわれる「家紋」。古くより自らの家系、血統、家柄、地位を表わすために用いられてきた紋章だが、ここまで多種多様な広がりを見せるのは日本だけである。

 家紋の起源は、平安時代中期に遡る。『愚管抄』(1220年)に白河天皇の外祖父・藤原実季が「巴紋」を牛車に用いたと記されているのが最古の記録だ。自分の牛車を探す際の目印に用いたといわれ、ほかの貴族たちも真似て、独自の紋を作り、牛車や衣類などにつけるようになった。

 それがやがて家を表わす標章に発展していく。当時の家紋は、鳳凰や木瓜紋など、中国渡来の文様を模したものが多く、貴族はその美しさを競った。

 やがて平安末期の源平騒乱期になると武家に家紋が広まった。敵と味方を判別するため、平氏は赤旗、源氏は白旗を用いたが、その後、源頼朝が、源氏の嫡流以外の旗に紋を入れさせた。これが各家の家紋となるのだ。

 家紋は戦場での武功を際立たせるため、陣幕、旗、鎧兜などにもつけられた。天皇家の「菊紋」が定められたのもこの頃で、菊を愛した後鳥羽上皇が、持ち物に菊紋を入れたのが始まりとされる。

※週刊ポスト2014年5月23日号

関連キーワード

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン