国際情報

中国55歳役人の愛人契約書が流出 「週4回」を約束していた

 明らかになった「契約」。内容も唖然とする他ないものだった。中国の情勢に詳しい拓殖大学教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 今年、中国の公務員試験の応募者が減少したことが話題となったが、その理由の最も大きなものが〝うま味〟がなくなったことだとされる。

 習近平体制の下で進められる「ぜい沢禁止令」により公費の飲み食い、出張が禁じられ、さらに反腐敗キャンペーンにより賄賂を受け取りにくくなったことが大きく響いたということだ。

 ポケットが寂しくなったのに加え、習近平体制では「生活腐敗」にも厳しい目が向けられている。その典型が、愛人によって夜の動画を公開されてしまった重慶市の役人・雷政富の事件が有名だ。発覚すれば民意を気にして即座に処分される多くの役人たちにとって雷政富事件は他人事ではなかったはずだ。

 そんな世相を反映してか、4月25日付『都市快報』は、ある役人が愛人との間に詳細な契約書を作成してサインさせていたという記事を掲載した。

 タイトルは、〈55歳の官僚が愛人に承諾書 週に4回の関係 妻には絶対に会いに行かない〉。

 ここまで書かれていれば、記事の中身を読まなくても想像できる。実際、それ以上の内容ではないのだが、驚いたのは情報提供者である。こうした情報が公になるのは、たいてい痴情のもつれの果てに女性が暴露することだが、今回は本人が直接公開したものではないということ。実は、事件の舞台となった浙江省衢州市紀律検査委員会の関係者からの提供なのだという。

 インターネットで気軽に告発でき、さらに当局も迅速に対応する。時代というほかない現象だ。

 民事制裁を免れなかったこの官僚はすでに処分済みということだが、このケースによってまたさらに中国の官僚たちは委縮することだろう。それにしても愛人の行動を制限する契約書が全部で30枚とは、そりゃいくらなんでも細かすぎたのかも。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
ラブホテルから出てくる小川晶・市長(左)とX氏
【前橋市・小川晶市長に問われる“市長の資質”】「高級外車のドアを既婚部下に開けさせ、後部座席に乗り込みラブホへ」証拠動画で浮かび上がった“釈明会見の矛盾”
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン