国際情報

日本人の英語力が低いのは「楽しむ」姿勢が不足しているから

 グローバル時代の到来で英語を操る能力が必須と言われているにもかかわらず、日本人の多くは英語が苦手だ。国際ジャーナリストの落合信彦氏は、英語習得のために英語の資格試験の点数を稼いでも意味がないという。英語力をあげるために、日本人に必要なことについて落合氏が解説する。

 * * *
 グローバル化や国際競争力の強化が盛んに叫ばれているにもかかわらず、日本人は「英語」ができない。各種調査で日本人の英語力がアジア最低クラスにランクされる状況が続いている。その理由については「学校教育が悪い」「これまでは十分な内需があったので国内でビジネスをしていればよかった」といった分析がなされている。

 どれも本質的な議論ではない。日本人の英語力が低いのは、言葉を学ぶことを「楽しむ」姿勢が足りないからだと私は考えている。

 英語力を身につけようとする時に、日本では多くの人が資格試験の教科書を手に取る。ペーパーテストで良い点を取るための勉強では楽しくないし、高い点数が取れても実際に英語でコミュニケーションできるようにはならない。

「履歴書に点数を書くことが目的だからそれでいい」という人もいるようだが、よく考えてもらいたい。解答のあるペーパーテストなど、訓練すれば誰でも点数が取れるようになる。そんなものがキャリアを重ねていく上でアドヴァンテージになるはずがないだろう。日本には英語の資格試験が60種類以上あるというニュースがあったが、「英語力の低い資格試験大国」ではあまりに悲しい。

 私はアメリカの大学に留学するために、英語を必死で勉強した。今思い出してもそれはとても楽しい日々だった。

 私がアメリカ留学を決意したのは高校在学中のことだ。アメリカの大学であれば奨学金制度が発達しているから、母子家庭で私を育ててくれた母に負担をかけずに済むし、何よりも世界中から優秀な人材が集まるアメリカで様々なバックグラウンドの人間と議論すれば、自分がそれまでに触れたことのない知識や価値観を学べると思っていた。

 私は期待に胸を膨らませて、英語の習得に全力を尽くした。

関連キーワード

関連記事

トピックス

およそ揉め事を起こしそうにない普通の人たちがカスハラの主役になっている(写真提供/イメージマート)
《”店員なんて赤の他人”的な行為が横行》条例施行から2か月、減らないカスハラの実態 都内のコンビニ店員が告白「現役世代のサラリーマンが…」品出し中に激突、年齢確認にブチ切れ、箸に”要らねえよ”
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
六代目山口組の新人事、SNSに流れた「序列情報」 いまだ消えない「名誉職」に就任した幹部 による「院政説」
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットの幸せな日々》小室眞子さんは「コーヒー1杯470円」“インスタ映え”カフェでマカロンをたびたび購入 “小室圭さんの年収4000万円”でも堅実なライフスタイル
NEWSポストセブン
宮城野親方
何が元横綱・白鵬を「退職」に追い込んだのか 一門内の親しい親方からも距離置かれ、協会内で孤立 「八角理事長は“辞めたい者は辞めればいい”で退職届受理の方向へ」
NEWSポストセブン
元女子バレーボール日本代表の木村沙織(Instagramより)
《“水着姿”公開の自由奔放なSNSで話題》結婚9年目の夫とラブラブ生活の元バレーボール選手の木村沙織、新ビジネスも好調「愛息とのランチに同行した身長20センチ差妹」の家族愛
NEWSポストセブン
常盤貴子が明かす「芝居」と「暮らし」の幸福
【常盤貴子インタビュー】50代のテーマは「即興力」 心の声に正直に、お芝居でも日々の暮らしでも軽やかに生きる自分でありたい
週刊ポスト
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
ホストにハマったAさんが告白する“1000万円シャンパンタワーの悪夢”「ホテルの部屋で殴る蹴るに加え、首を絞められ、髪の毛を抜かれ…」《深刻化する売掛トラブル》
NEWSポストセブン
西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
大谷夫妻の第1子誕生から1ヶ月(AFP=時事)
《母乳かミルクか論争》大谷翔平の妻・真美子さんが直面か 日本よりも過敏なロスの根強い“母乳信仰”
NEWSポストセブン
麻薬の「運び屋」として利用されていたネコが保護された(時事通信フォト)
“麻薬を運ぶネコ” 刑務所の塀の上で保護 胴体にマリファナとコカインが巻きつけられ…囚人に“差し入れ”するところだった《中米・コスタリカ》
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン
公務のたびにファッションが注目される雅子さま(撮影/JMPA)
《ジャケットから着物まで》皇后雅子さまのすべての装いに“雅子さまらしさ“がある理由  「ブルー」や小物使い、パンツルックに見るファッションセンス
NEWSポストセブン