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「原監督は巨人の4番の意味を理解していない」と広岡達朗氏

 プロ野球・シーズン開幕前は圧倒的戦力を背景にぶっちぎりの優勝を果たすと思われていた巨人が、意外な苦戦を続けている。中でも、ここへきて一気に衰えた感のある阿部慎之助には、ファンも戸惑いを隠せない。

 原辰徳監督はこれまで、「今の巨人は阿部のチーム」といって憚らなかった。さぞ頭が痛かろう──だが、「そんな同情論は不必要。すべての元凶は、その原の采配だからだ」と断じる巨人OBがいた。辛口評論で鳴る広岡達朗氏である。

「不調の原因は打順ですよ。監督がキチッとしたオーダーを組んでいないから、歯車が噛み合わない。それが各所に悪影響を与えている。

 特に、阿部に4番を任せるなら任せるで、どっしり構えればいいんだ。ましてや阿部を下位に追いやって、急に連れてきた外国人選手(セペダ)をいきなり4番に据えるなど、愚行もいいところですよ」

 そもそも原監督は、自身がその重責を担ってきたにもかかわらず、「巨人の4番」という意味を理解していないと広岡氏は語る。

「巨人の4番は、成績が出なければシーズン中でも多摩川(二軍)で打ち込んだものです。4番が打てないのなら7番に下げるのではなく、ジャイアンツ球場で打たせればいい。そこで打ち込んで本来の仕事ができるように調整させる。できなくなればクビですよ。昔からそうやって強い巨人を守ってきたんです。

 お前に任せるといわれていると思ったのに、コロコロ打順を変えられて、阿部の気分が乗りますか? 何を求められているのかわからなくなるし、それは守備にも当然影響する。

 阿部をはじめ、選手たちの打順をコロコロ変える采配が、今の失速を招いているんです」

※週刊ポスト2014年6月6日号

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