国内

落合信彦氏 外遊続く安倍首相に「毎回具体的な成果求めよ」

 安倍首相の成長戦略や外交姿勢を好意的に捉えたメディア報道が目に付くが、「安倍氏は本当に必要な課題を先送りにしている」と考える落合信彦氏は、そのような記事を“提灯記事”だと切り捨てる。落合信彦氏が安倍氏の問題点を綴る。

 * * *
 首相の安倍がハイペースで外遊に出かけている。平均して月1回以上、既に30か国以上を訪問した。「地球儀外交」と銘打ち、歴代最高のペースで世界を飛び回っている。国民の税金を使い、アメリカやアジアはもちろんのことアフリカのモザンビークまで自ら出向く安倍は、それに見合う成果をあげているのだろうか? とてもそうは思えない。

 4月末からの大型連休で安倍は10日間かけて欧州6か国を歴訪した。トップ外交で貿易協定をまとめるといった具体的な成果は何もない。新聞各紙は「集団的自衛権について欧州首脳の理解が深まった」などと外務省の宣伝文そのままの記事を書いていたが、与党の中でさえまとまっていない話を先に海外で説明することにどれだけ意味があるのだろうか。  

 ポルトガルでは、安倍は丸一日オフを取って観光を楽しんでいた。ユーラシア大陸最西端のロカ岬などを訪れたという。安倍が海と石碑を眺めるための観光旅行に、国民の税金を使う意味など断じてない。

 勘違いしてもらいたくないが、必要なカネは使えばいい。しかし、次から次へと外遊日程を組む安倍には、その一つ一つに具体的な成果が求められるという自覚が欠けている。

 思い出してもらいたい。安倍政権が発足して最初の外遊は昨年1月の東南アジア歴訪だった。ヴェトナム、タイ、インドネシアの3か国を訪れ、「中国の覇権主義に対抗するために、東南アジアとの連携を深め、信頼関係を醸成する」ことがアピールされた。

 5月に入ってヴェトナムが自国の排他的経済水域(EEZ)だとする南シナ海の海域で、中国船が勝手に石油を採掘していることが明らかになった。中越両国の艦船のにらみ合いが続いているが、安倍政権は「中国の挑発的な海洋進出だ」という声明を出す程度で、具体的にはヴェトナムを何もサポートしていない。現地を訪問して築いたはずの「信頼関係」はどこかへ消えてしまったようだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン