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済州島に建設中の韓国軍基地 配備艦は「独島」「安重根」等

 朝鮮半島の西南に浮かぶ韓国・済州島。古来、海産物の貿易などで日本とも関わりが深く、韓国の人気ドラマのロケ地としても韓流ファンにはなじみ深い。その島を揺るがしているのが現在、建設中の韓国海軍の巨大基地である。

 2007年に工事が始まったこの基地は、東シナ海に面した遠浅の浜を掘削しながら全貌を明らかにしつつある。軍艦20隻に加えて15万トン級の民間クルーズ船2隻も停泊可能であり、司令部や補給施設、宿舎などが建設される陸上部分の面積は、東京ドーム14個分にあたる67haに及ぶ。これは韓国海軍がこれまで拠点としてきた釜山や鎮海の二大基地に匹敵する規模だ。

「完成すれば、9000人の軍人が勤務するようになる。家族も含めれば2万人が移り住むようになるでしょう」

 多くの工事用車両が行き交う江汀洞地区の商店主はそう皮算用してみせる。人口約55万人の島は、観光業に依存してきただけに期待も大きい。済州島を管轄する済州特別自治道庁の担当者によると、基地の建設に投じられる金額は1兆ウォン(約1000億円)以上。当初、2015年を予定した完成時期はやや延びるものの、再来年6月には工事完了の式典を開く予定だという。

 ここで注目したいのは、済州島と九州沿岸までの距離が300kmほどしかない点だ。同島から首都ソウルまでの距離約500kmよりも近い。大手紙ソウル特派員の話。

「この済州島の海軍基地に配備が予定されているのが、イージス艦や潜水艦など20隻から構成され、旗艦を強襲揚陸艦『独島』とする艦隊です。さらに2020年代後半には韓国初の本格的な外洋艦隊となる戦略機動艦隊(別名:独島・離於島艦隊)へと拡大させる計画があり、竹島(韓国名で独島)や離於島の防衛にあたるそうです」

 強襲揚陸艦とは輸送用ヘリを離着陸させる能力や、離島などへの上陸用船艇(エアクッション艇)を搭載・運用する能力を持つ艦船を指す。「独島」は2007年に韓国軍に配備され、全長は、海上自衛隊が保有する事実上のヘリ空母「ひゅうが」「いせ」を超える199m。韓国メディアの間ではアジア最大級の軍艦とも謳われる。

 強襲揚陸艦は、敵前で上陸作戦を展開するために開発された。名前からして明らかだが「独島」は竹島が日本に奪われた際に上陸奪還作戦を行なうことを想定しているとされる。 ちなみに韓国海軍が備えるイージス艦の一つ、「世宗大王」とは、朝鮮王朝時代に、対馬を侵略した国王のことである。また潜水艦には、伊藤博文を暗殺した「安重根」の名がそのまま付く。

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