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レビューサイトの点数はどこまで信用できるか 異議ありの声

 飲食店でも本でもレビューサイトに目を通す人は多いだろう。しかしなんでも点数化することに意味はあるのか。信頼できるのか。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が一石を投じる。

 * * *
 最新作『リクルートという幻想』を9月9日にリリースしました。そして、きました。Amazonでの1点レビューの嵐です。この原稿を書いている9月12日(金)の午前10時現在、6つのレビューがついていて、5点が2人、1点が4人という状況です。「駄文」「著者の自慢話」という声まで頂きました。著者として、複雑な心境になっています。本に対しての批判は真摯に受け止めますが、とはいえ、このレビューをそのまま受け取っていいのかということについては色々と言いたいことがあります。

 このレビューという仕組みの問題点について考えたいと思います。気をつけないと、単なる恨みつらみにしか聞こえないと思いますので、できるだけ感情を手放して書くことにします。著者として、また1ヶ月に約30冊は書籍を手にする者として、あるいは同じくレビューが話題となる飲食店や宿泊施設を利用することが多い者として、さらにはレビューを扱うサイトに関わっていた者として意見を述べたいと思います。

 自分自身がレビューを読むときに気をつけているポイントがあります。これは、自分の書籍に対する評価・評判を把握する上でも、本を探すときでも、飲食店や宿泊施設を探す際も同じです。ポイントは3点。1.点数はいったん、見ない 2.レビュー内容を読む 3.誰が評価しているのかを見る。この3つです。

 点数というのは、基準を明確にしていないサイトがほとんどです。いや、中には明確にしているところもあるのですが、とはいえ、ユーザーが感覚でつけるので、意味がないです。よく、私が大好きな、紹介した人に必ず感謝される良店を予約した時に、若い人に案内のメールを送ると、ごくたまに「ここ、食べログで3.0点を割ってますよ……」と心配されることがあるのですが、たいてい大丈夫です。点数というのは、期待値に関するブレで左右されるものなので、普段の予算より高い店などに行った際は低くつくことがあるのです。自分の舌、信頼できる人の評判を頼りにしています。極端なファンの点数も、アンチの点数も実態とズレてつくわけですし。

 むしろ重要なのはレビューのコメントでしょう。点数が低くても、マイナスの情報が含まれていても、自分にとって参考になる、納得する部分があればいいのです。例えば飲食店のレビューで「高くついた」「牛肉の料理が中心で飽きる」なんてコメントがあって評点が2点だったとしても、美味しいものには金に糸目をつけない、牛肉を山ほど食べたい気分の場合は関係ないわけです。

 誰が書いているのかも参考にはなります。いつも批判コメントを繰り返している人、明らかに評価に偏りがある人などが可視化されます。

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