ビジネス

缶コーヒーも高級化路線「濃い味化」でオフィスの需要拡大か

プレミアムな缶コーヒーが人気

 スターバックスをはじめとしたシアトル系コーヒー専門店の台頭や、コンビニエンスストアの淹れたてコーヒーのブームなどにより、日本人のコーヒー需要はますます高まっている。

 社団法人・全日本コーヒー協会の調査では、コーヒーの国内消費量(2013年)は44万6392トンで過去最高となった。同協会の担当者によれば、コーヒーの消費量は昭和50年代半ばには早くも緑茶を上回り、その後も増加しているという。

 あらゆる生活シーンでコーヒーの飲用機会が増えている中、近年、苦戦といわれてきた「缶コーヒー」市場も再び活気づいている。

 市場調査会社の富士経済によると、2013年の缶コーヒー市場は前年比1%減の7334億円。2014年も0.5%マイナスの7297億円を見込んではいるが、微減に踏みとどまっている。

 その要因は、コーヒーの香りやコク、酸味がより感じられる“濃い味タイプ”が需要を下支えしているからだ。飲料総研の宮下和浩取締役が解説する。

「これまで缶コーヒーといえば砂糖・ミルク入りの商品がスタンダードでしたが、2000年代に入り、カロリーや糖質を抑えた商品が出るなど、『微糖ブーム』が起きました。そして2002年以降ずっと右肩上がりの成長を続けてきたのが、『無糖ブラック』の缶コーヒーです。

 消費者はいろいろな缶コーヒーを飲み比べて、最終的には豆本来の深みをもっと感じたいという品質重視の購買動機に立ち返ったのでしょう。いま、飲料メーカーが高級豆をふんだんに使ったり、焙煎製法などに工夫を凝らしたりと、“プレミアム缶コーヒー”の新商品を続々と発売しているのは、そんな“こだわりのある商品”を欲する消費者ニーズに合致しています」

 例えば、サントリー食品インターナショナルの『BOSS』は、ブレンド豆を瞬間凍結させて細かく砕くことで深みのあるコクを出したプレミアム版を発売。

キリンビバレッジも原料を別々に瞬間殺菌・無菌充填する製法でコーヒーの香り成分を従来品の17倍、コクを1.3倍に高めた『ファイア ダブルマウンテン』を投入。さらに、11月にはブラジル産の希少豆を使った1本200円のプレミアム缶コーヒー『別格』も出して、本格志向の消費者を掴もうと必死だ。

 また、コーヒー豆自体の品質や使用量を高めると同時に、新たな付加価値も提案して勝負しているのが、ポッカやUCCとともに“コーヒー御三家”と呼ばれてきたダイドードリンコである。

 長きにわたり缶コーヒーを発売してきた同社にとって、品質最優先の開発スタイルは今も昔も変わらない。「香料は使わず、良質な豆だけを使う」という徹底ぶりに、根強いファンも多い。

 そんなダイドーが打ち出すプレミアム商品は、豆の量を通常の2.3倍以上使うことで贅沢感のある味わいを追求し、さらに缶を振ることで淹れたてのエスプレッソのような泡立ちも楽しめる『ダイドーブレンド 泡立つデミタス エスプレッソ』だ。

関連記事

トピックス

「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
3年間に合計約818万円のガソリン代を支出していた平口洋・法務大臣(写真/共同通信社)
高市内閣の法務大臣・平口洋氏が政治資金から3年間で“地球34周分のガソリン代”支出、平口事務所は「適正に処理しています」
週刊ポスト
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン