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朝青龍 内館牧子さんについて「彼女の辛口が私を強くした」

内館牧子さんについて語る朝青龍

 朝青龍が2010年2月に電撃引退してから早5年。ドルゴルスレンギーン・ダグワドルジ氏(34)は現在、モンゴルの首都ウランバートルで実業家としての日々を暮らしていた。ノンフィクションライター柳川悠二氏が現地で今年11月のある日にインタビュー、横綱時代をふり返った。

──引退時、「今後10年は日本人横綱は誕生しないだろう」と発言していました。あれから約5年が経過しましたが。

「5年後も難しいだろうね。でも、相撲だけじゃない。柔道だって、今は日本人が上位じゃないでしょ。グローバル化が進んだということだ」

──なぜ日本人力士には難しいのでしょうか。

「やっぱりハングリーさ、闘志がないということだな。遠藤は注目されているけど、ちょっとちやほやされて甘えすぎ。相撲界に男前は関係ない。腹減ったオオカミみたいな気持ちで土俵に上がらないと」

──ヒール役の朝青龍がいなくなって、「相撲がつまらない」という声も耳にします。

「ヒールがいてこそ、ヒーローは誕生するからね。ヒールの優しさが垣間見えた時は、ヒーロー以上に称賛されるもんだよ」

──現役中は、メディアに嫌われた。なぜだと思いますか。

「新聞を売りたいからでしょ。今、みんな寂しがっているよ」

 そう言って、朝青龍が振り返ったのは2007年の仮病騒動だ。左手のケガや腰痛を理由に、巡業を休んだ彼は、その間にモンゴルでサッカーに興じ、国民の批難を浴びた。思い出したくもない出来事であるはずなのに、朝青龍はやけにうれしそうだ。

「帰国した時、成田空港に歴代最多のメディアが集まり、上空を6機のヘリコプターが飛んでいた。マイケル・ジャクソンの東京ドーム公演の時ですら、1機だったらしいから、それは私の自慢だよ」

──あの時はうつ病と診断され、「死にたい」と漏らしたと。

「死に体(相撲用語で敗戦が決まったような姿勢を指す)? そうではなかったけど、確かに人と話したくなかった。モンゴルのことわざに『嘘も100回言えば本当になる』というのがある。あの時は何を言っても信じてもらえなかった。本当に苦しくて、怖かった」

──朝青龍を散々苦しめた「横綱の品格」とは何ですか。

「何でしょうね。みんなに合わせる、ということかな。私は他人の生き様より自分の生き様が大事で、常にマイウェイだったから」 話のついでに聞きますが、横綱審議委員だった内館牧子さんとも、バトルを繰り返しましたね。 「(ニヤリと笑って)元気に生きてますか? 彼女の辛口も、私を強くしてくれたと思うよ」

※SAPIO2015年1月号

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