ライフ

早期の発見で認知症を予防する 脳ドックでの「脳萎縮検査」

 最近、物忘れがひどい、ひょっとして認知症ではないか? こんな不安を持つ人の受診が増えているのが脳萎縮検査だ。ここで注目されているのが「脳ドック」である。

 脳ドックとは、MRIやMRAなど画像診断機器を使い、脳内の血管の状況を観察、脳梗塞や脳動脈瘤の有無、血管狭窄や血管の閉塞などを診る検査だ。本来は、くも膜下出血の主な原因である脳動脈瘤発見のために始まったが、近年は人間ドックの一環として受診する人も増えている。

 新百合ケ丘総合病院(神奈川県川崎市)の笹沼仁一院長に話を聞いた。

「脳ドックは、血管系を診るのに意味があったのですが、物忘れが気になるので受診するという方が増えてきました。そこで脳ドックのオプションとして始めたのが、脳萎縮検査です。MRI画像で脳が萎縮しているかどうか見るだけでなく、解析ソフトによって海馬の萎縮を数値化することができるようになっています」

 脳萎縮検査は、通常の脳ドックにおけるMRI撮影より細かく撮影する。この画像を3次元処理して立体的にモニターに投影することで、自分の脳の状態を見ることができる。さらに記憶力検査などで正常と判定された50代、60代、70代のデータを基に、その海馬の体積を比較して萎縮の程度を判定する。検査対象は50代以上となっているが、40代での検査希望も増えている。元データが50代以上であるため、結果にばらつきが出る可能性もある。

 萎縮の程度は、数値で表わされ、1以下は萎縮していない、つまりは正常範囲という判定になる。2以上の数値が出た場合には、物忘れ外来など専門外来で記憶力検査を含めた精密検査をするよう指導される。

関連キーワード

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン