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食文化研究家「以前は食堂で虫が入ってても気にしなかった」

 今年最初の3連休、東京近郊にある大型ショッピングモールは、普段と変わらず子供連れなど多くの客で賑わっていた。ところがその一角で、『マクドナルド』だけはがらんとしていた。

「お出かけしたときには、子供はごちそうとばかりにハンバーガーを食べたがります。でも、一体何が入っているかわからないんじゃ…」(36才・主婦)

 チキンナゲットに約4cmの青色のビニール片が混入。サンデーチョコレートのカップに入っていた厚さ約3mmの鋭利なプラスチック片で子供が口の中を切るけが。フライドポテトに人の歯が混入…などと次々に明るみに出た今回の騒動。さらに『吉野家』や『和民』系列の『ワタミの宅食』の弁当などから、ミミズや金属製のネジなどが見つかったことも報じられ、食の安全が大いに揺らいでいる。

 食品問題に詳しい消費者問題研究所代表・垣田達哉氏は次のように解説する。

「原材料にはじまり流通途中や調理する店舗段階など、異物が混入するルートにはキリがなく100%防ぐことは不可能です。報道されてこなかっただけで、これまでにも異物が混入するケースは数多くありました。それでも、お金をもらって販売している以上、事業者側が味や品質に責任を持つのは当然のことで、“混入はしょうがない”と諦めることは許されません。『ペヤング』の虫のように、私たち消費者の発信によって表に出ることもありますから、常に“混入はある”という意識を持っているべきでしょう」

 一方で、「過剰に反応しすぎではないか」という声も少なくない。食文化史研究家・永山久夫氏は、「異物混入を防ごうとする企業の姿勢は絶対に必要」と強調しながらも、こう指摘する。

「以前は、町の食堂やレストランで出された料理に虫が入っていたとしても、あまり気にしない寛容さが日本にはあったと思います。自分で料理しても、虫や髪の毛は入りますし、虫が入っているというのは『有機栽培で殺虫剤を使っていない野菜』という証拠かもしれません。混入が笑って済まされた時代もありましたよね」

※女性セブン2015年1月29日号

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