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2015.01.18 16:00  週刊ポスト

NHK大河『花燃ゆ』 大コケの背景に作品巡る政治的配慮あり

 それに対し、『花燃ゆ』の制作発表はさらに遅く2013年12月3日だった。他の年より数か月~半年も遅れたのはなぜなのか。
 
 筆者が『花燃ゆ』制作発表直後(2013年12月)に舞台となる山口県萩市を取材すると、さらに奇妙な経緯が浮き彫りになった。当時、萩市の商工観光部観光課課長はこう証言した。
 
「NHKのチーフ・プロデューサーがこちらに来たのは9月のことです。脚本家2人を連れて、『山口県に何か大河ドラマの題材がありませんか』などと聞かれ、市内の案内も頼まれました」
 
 例年なら制作発表が終わっている時期にもかかわらず、題材も主人公も未定。しかも舞台となる「場所」だけが決まっていたような言い方だ。
 
「最初男性の主人公候補を提案したが、NHK側からは『女性で誰かいないか』といわれ、伊藤博文夫人などの話をしました。その後、10月になって『吉田松陰ではどうか』と聞かれ、妻や3人の妹について説明した。『女性でいろいろ面白い話がありますね』という反応でしたね。まさか2015年の放送とは思わず、もっと先の大河のリサーチかと思っていました」(同前)
 
 2009年放送『天地人』のチーフ・プロデューサーは雑誌インタビューに〈2006年あたりからこの大河ドラマ48作目の題材を考えはじめていたのですが、当初、局内で「直江兼続でいきたい」と話したとき、みんな知らないわけですよ〉(『時代劇マガジン』2009年1月号)と答えていることからもわかるように、放送の数年前から作品の構想が立てられることも通例で、「主人公を誰にするか」は最重要視されるといわれてきた。

「舞台は山口県であること」が重視された形跡がある『花燃ゆ』は不自然きわまりない。それも、安倍政権発足直後に決まった方針と推測され、それ以外に「山口」である必要性は見当たらないのである。

●取材・文/鵜飼克郎(ジャーナリスト)

※週刊ポスト2015年1月30日号

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