では、今後の原油価格の行方をどう読むべきか。こういう時こそ「チャートの波動分析」が役立ちます。
まずは日柄(時間軸)でいうと、原油価格は昨年9月から急激な下降トレンドに入りました。1つの短期トレンドは「短くて2、3か月、長ければ6、7か月」が波動の原則なので、まもなく転換点を迎えそうです。
続いて値ごろ(価格軸)では、2つのシナリオが考えられます。
1つは、44ドル近辺で底を打ち、上昇へと転じる楽観シナリオ。直近3年間の最高値は2013年9月の約110ドルです。天井から底値を予測する相場の格言《半値八掛け二割引》に従うと、半値(55ドル)、八掛け(44ドル)、二割引(35ドル)が底値のラインです。「八掛け」の44ドル近辺で底を打てば、上昇トレンドへと転換する目安となり、日本株のプラス材料といえます。
2つ目は悲観シナリオです。「二割引(35ドル)」まで落ち込むと“逆オイルショック”への突入です。世界はパニック相場となり、しばらくは売り一色。日本株の暴落も避けられません。
その場合、ここ半年の最安値となる1万45299円(2014年10月17日)まで下げる動きになると予測します。
ただし前述の通り、日本国内にはマイナス材料は多くありません。したがって原油価格が底入れすれば、悪材料が出尽くして日本株は上昇に転じます。もし日本株が1万5000円割れまで下げるようなら、そこが絶好の「押し目買いのチャンス」です。
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※週刊ポスト2015年2月13日号