芸能

1970年代初頭からのアイドル黎明期をアイドル研究家が解説

 1970~1980年代に青春時代を過ごした男性なら誰しも、心を奪われた女性アイドルがいただろう。テレビ全盛時代に輝いた昭和アイドルの黎明期について、アイドル研究家の北川昌弘氏が振り返る。

 * * *
 アイドルの登場は1970年代初頭とされている。大きな要因は2つ。ひとつはカラーテレビの普及。そしてもうひとつは高度経済成長の中で、子供たちがお小遣いをもらえるようになったことだ。アイドルの人気は、コンサートに行き、グッズを買う子供たちの消費に支えられていた。
 
 吉永小百合に代表されるような、映画館に足を運んで料金を払って見る高嶺の花の“映画スター”に対して、家でテレビのスイッチを入れれば接することができる、ある意味とても身近な存在に感じられるテレビアイドルが登場した。

 まず1969~1971年に吉沢京子、岡田可愛、紀比呂子、早瀬久美らがテレビドラマのアイドル的女優として活躍する。中でも、1970年秋放送の『おくさまは18歳』に主演した岡崎友紀の人気は凄まじく、視聴率やブロマイドの売り上げは記録的な数字を叩き出した。

 ただ、現在ではアイドルの厳密な定義はレコードを売ることがメインの「歌謡曲アイドル」と認識され、1971年の小柳ルミ子、南沙織、天地真理のレコードデビューをもってアイドルが誕生したと考えるのが普通だ。

 小柳ルミ子は宝塚音楽学校出身で抜群の歌唱力を持ち、『わたしの城下町』はかなり演歌調である。そういう意味では南沙織が正統派アイドルの原型といえるのではないだろうか。天地真理はドラマ『時間ですよ』の“隣のまりちゃん”役で大ブレイクを果たしており、ドラマと歌の連動の威力を示した。

 そして1971年の秋には次々とアイドルを輩出することになるオーディション番組『スター誕生!』が始まった。そこからまず森昌子が1972年に、さらに桜田淳子と山口百恵が1973年にレコードデビューを果たす。3人は同学年だったことから、“花の中三トリオ”と呼ばれた。森昌子はとにかく歌唱力が抜群で、デビュー曲『せんせい』は演歌調だった。一方、桜田淳子は笑顔が眩しく明るい性格の“ザ・アイドル”として一躍脚光を浴びていく。

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