それに続いた山口百恵も当初は桜田淳子の明るく元気な路線を踏襲して髪型から服装まで似たような雰囲気だったが、うまくハマらず、いきなりイメージチェンジを行なった。2曲目の『青い果実』から、さらに『ひと夏の経験』と女の子の気持ちを刺激的に歌う“性典ソング”で成功。桜田淳子が陽のアイドルとすれば、山口百恵は陰のアイドルになっていく。
山口は1974年秋の連続ドラマ『赤い迷路』のヒロインでも人気となり、女優としても大成功していく。さらに1975年の正月映画『伊豆の踊子』で三浦友和と共演。その後も盆と正月の年2回、主に三浦との共演映画が公開される映画スターとしても活躍し、1970年代を代表する女性芸能人となっていった。
1973年に『時間ですよ』でデビューした浅田美代子、1978年に『コメットさん』で大ブレイクした大場久美子らは、テレビドラマから火がついたアイドルだった。
※週刊ポスト2015年2月27日号