いずれにせよ、このまま内紛劇が長引けば、株主ばかりか従業員にも見限られてしまうのは目に見えている。
「かつての西武が兄弟で10年間も争ったように、企業防衛戦をやっている間にお金もエネルギーも消耗しますし、当然、経営にも目が行かなくなります。そして『最後には誰もいなくなった』とならないことを願います」(松崎氏)
ベッド、タンス、ソファーなど。家中の家具はすべて大塚家具で買い揃えているという都内在住の70代女性がつぶやく。
「せっかく質のいい家具がたくさん置いてあって、店員のサービスも良かった大塚家具がこんな醜い争いを続けていると知って、イメージが悪くなりました。IKEAやニトリのようなスタイルを取るなら、別会社や別店舗をつくって娘さんがやればいいだけの話じゃないですか?」
何よりも小売業でもっとも大切にしなければならない消費者からソッポを向かれたら、元も子もない。
■撮影/横溝敦