有村架純もロングヘアをバッサリと切った
また、ヘア専門の美容ライターでヘアカタログのフォトコンテスト審査員も務める佐藤友美さんは、ボブの流行の背景には2つの理由があると語る。ひとつは、2~3年前に流行ったボブがスタンダードとして定着したこと。もうひとつ、いちばんの理由は女性の「見られ方意識」の変化にあるという。
CanCam、JJなどのモテ&かわいい系統の赤文字系女子、Zipper、SEDAなどのオシャレにこだわったストリート系の青文字系女子という主に2つの流れがあったが、その赤系女子と青系女子が互いに中間に寄り、“紫化”が起きていることが原因だと佐藤さんは語る。
「ロングヘアで巻き髪の赤系とショートカットでボーイッシュな青系、ふたつの女性像が互いに寄ってきて“紫化”しています。赤系の子たちは、モテだけじゃなくオシャレ感も出したい、逆に青系の子たちは、オシャレだけじゃなく女らしさも取り入れたいと思いだした。例えば昔のモテ系雑誌のモデルさんは必ずロングヘアで、短く切るなんてあり得ませんでしたが、最近は短めのモデルさんが続出しています。
みんなの気分が紫になっている中で、男女両方から好感度を取れる、使い勝手がいい髪型がボブなんです。ボブにしているタレントさんって、女性からの好感度も高い人たちばかりですよね。ボブは丸みが出る髪型で、かわいらしさや女らしさを出しやすい。だけど短いから甘すぎない。女子度が高すぎず、エロすぎにもならず、オシャレにも見えるいいとこ取りの髪型です。ショートは似合う人を選びますし、好みが分かれます。ロングは女子度が高くても保守的に見える。男女両方から好かれる、でもやりすぎではないということでボブが人気なんだと思います」
しかも、ボブは似合わせのバリエーションが豊富なのも利点。同じ形でも長さ、色、前髪を作るか作らないかでも似合わせができる。定番だが、幅が広い。誰にでも100%似合うボブは必ずひとつはあるのも特徴だという。ワンピースにハイヒールといった女度の高いモテ服にも、スニーカーやデニムでカジュアルにしたい時にも、どんな服にも合わせやすい中庸なところも受けている理由のようだ。
そろそろ洋服も春の装いに切り替わるタイミング。この春はボブ女子が増えそうだ。