国内

違法献金追及中止を示唆した枝野幸男氏 珍妙発言に至る経緯

「政治家がいろいろな方から寄付を受ける中で『(その企業が)補助金を受けていることを知らなかった』というケースが多々あるのは同感であります」

 これは安倍晋三首相の釈明でも、与党幹部が違法献金疑惑の閣僚たちをかばった言葉でもない。国会で違法献金疑惑追及の先頭に立ってきた枝野幸男・民主党幹事長による3月3日の衆院予算委員会での発言だ。

 この日を境に、民主党は事実上、「違法献金」追及をやめた。この珍妙な発言に至る経緯を振り返る。

 政治家が企業に補助金をバラマキ、受け取った企業から献金をもらう「補助金献金」は国民の血税のキックバックにほかならない。

 そのため政治資金規正法では補助金の交付を受けた企業が「献金を出すこと」も政治家が「献金を受け取ること」も禁じており、違反すれば「3年以下の禁錮または50万円以下の罰金」が科せられる。

 にもかかわらず、安倍首相をはじめ、麻生太郎・副総理、菅義偉・官房長官、塩崎恭久・厚労相、望月義夫・環境相、上川陽子・法相が違法献金を受け取っていた疑惑が次々に発覚した。

 先に引責辞任した西川公也・前農水相(※注)を「法的に問題はない」とかばっていた政権中枢の面々が、軒並み自ら補助金献金に手を染めていたのだから、まさに内閣総汚染状態だ。

【※注/西川氏は農水省の補助金交付団体「精糖工業会」の関連会社「精糖工業会館」から100万円の献金を受け取るなど複数の政治資金規正法違反疑惑を追及され、大臣を辞任した】

 当然、国会は疑惑追及一色となった。民主党は「スナイパー」と呼ばれる議員を中心に調査チームを編成して閣僚たちの政治資金を洗い出し、連日、予算委員会で追及。安倍首相らは「補助金交付を知らなかった」と苦しい釈明に追われた。窮地に陥っていた安倍政権を救ったのは、民主党からの1本の電話だった。

「もうやめましょう」

関連キーワード

トピックス

高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領によるベネズエラ攻撃はいよいよ危険水域に突入している(時事通信フォト、中央・右はEPA=時事)
《米vs中ロで戦争前夜の危険水域…》トランプ大統領が地上攻撃に言及した「ベネズエラ戦争」が“世界の火薬庫”に 日本では報じられないヤバすぎる「カリブ海の緊迫」
週刊ポスト
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン