“デコ”るグッズとしても、マスキングテープは優れているようだ。雑貨店の30代店員はこう語る。
「最近はマステのアレンジ本などもたくさん出ていますし、使い方は本当に、人それぞれです。手帳に付箋として使うOLさんもいたり、ネイルとして使う方、それからスマホカバーをデコる女子高生の方なども。世代を問わず、雑貨という枠を超えて、それぞれの使い方を楽しんでいただいます。
今はスマホに限らず、何でも“デコ”るのが流行っていますね。貼り直しができるマステは使い勝手がよいようです。またハンドメイドはここ数年人気なので、その流れもあると感じています」
「ホビー白書2014年版」(一般社団法人日本ホビー協会発行)によると、クラフト市場はここ数年拡大傾向にあり、2014年は8673億円だった。消費者行動に詳しいニッセイ基礎研究所の准主任研究員・久我尚子氏は、クラフト市場およびマスキングテープ人気の背景について、以下のように分析する。
「できるだけお金をかけずに日常を彩りたい、潤いをもたせたいという欲求が高まっています。根底には節約志向がありますね。でも、節約するだけではなくて、自分らしさや個性を求める時代でもあります。これにはSNSなど、表現する場が増えているのも背景にあると思います。
そういう場では、金額の高いものよりも、一点もののほうが、驚かれたり褒められたりしますよね。ハンドメイドが人気なのには、こうした背景があると考えられます。マスキングテープは、ハンドメイド用品の中でも種類も豊富で、また、貼るだけで難しい技も必要ありません。誰でも気軽に使えるのがいい点ですね」
ちょっとした“可愛い”で、女性の気分はアガるもの。この春、細かな部分から、自分らしさを演出してみてはいかがだろう。