国内

美容師試験 実技はオバパーマで学科はインフルの時代錯誤

 新年度に資格を取ってキャリアアップを考える人は多い。転職や出世に有利だと考えられる「国家資格」だが、欲しがる者がいれば利権にもなる。シロアリ官僚たちは「お上がお墨付きを与える」ことで天下りポストと指導権限を操ってきた。その利権は、安倍政権になってさらに広がりつつある。

 問題はそうした資格を取るための試験が実際の役に立たないケースが多いことだ。その一つが大人気の「美容師」だ。

 美容師になるには厚生労働省が指定した養成施設(美容学校)を卒業した上で、実技と学科の試験に合格する必要がある(年2回実施)。実技試験で課されるのがオールウェーブセッティング、ワインディングといった技法だ。都内の美容店店主が語る。

「オールウェーブセッティングは1930年代に流行した髪型ですし、ワインディングはいわゆる“おばちゃんパーマ”です。髪に一定の幅でロッドを巻き付けていく技術の基礎を見るということですが、現場ではまず使うことがありません」

 学科試験も同様で、不思議な項目が並んでいる。たとえば昨年の試験では「インフルエンザに関する次の記述のうち、正しいものはどれか」という問いがあり、選択肢には「(1)インフルエンザウイルスはヒト以外にも感染する(2)ワクチンは、接種後すぐに効果が現れる……」といったものが並ぶ。

『日本人を縛りつける役人の掟』(小学館刊)の著書がある原英史氏(政策工房代表、元規制改革担当大臣補佐官)が解説する。

「資格の根拠となる美容師法が制定されたのは1957年のことです。当時はまだ衛生環境が悪く、美容室から感染症が広まる恐れがあったため、公衆衛生の観点から試験で感染症や人体構造を問う必然性がありました。

 衛生環境や顧客のニーズが大きく変わったのに学科も実技も時代遅れのままです。その結果、新人にはさみを持たせることはせず、3年間はアシスタントとして働かせるのが一般的になっている。ならば何のための試験なのか。『美容をクールジャパンの柱に』という掛け声も聞こえますが、資格試験のあり方を抜本的に見直す必要があるでしょう」

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン