芸能

声帯摘出つんく♂の3才娘 筆談でみるみるとひらがな覚える

食道発声法の練習を始めたというつんく♂

 喉頭がんの治療のため療養していたつんく♂(46才)が、昨年10月に声帯の全摘出手術を受けていたことを告白した。

 4月4日、つんく♂は母校である近畿大学の入学式に姿を見せた。壇上に登場すると大きく深く息を吸い込む。その横のスクリーンに「なぜ祝辞を読みあげることが出来ないのか…。それは、私が声帯を摘出したからです」と字幕が映し出されると会場は静まり返った。

「一番大事にしてきた声を捨て、生きる道を選びました」「こんな私だから出来る事。こんな私にしか出来ない事。そんな事を考えながら生きていこうと思います。皆さんもあなただから出来る事。あなたにしか出来ない事。それを追求すれば、学歴でもない、成績でもない、あなたの代わりは無理なんだという人生が待っていると思います」

 約6分の間メッセージは続いた。そして彼が深々と頭を下げると、会場からは万雷の拍手が鳴り響いた。

「手術から半年の間、つんく♂は声を失ったことを隠し続けていました。どこでどう伝えればいいか考えに考えていました。そして選んだのが『入学式』でした。同情される悲劇のイメージではなく、新たな命に向かってスタートを切った前向きな自分の姿を見てほしい。なによりその姿を見せたい人がいるから…とあの舞台を選んだんです」(つんく♂の知人)

 2006年に、12才下の元モデルの加奈子夫人(34才)と結婚したつんく♂は、2008年に男女の双子を、2011年に次女を授かった。

「つんく♂さんは大変子煩悩で、3人のお子さんを溺愛してます。いつもギター片手に童謡を一緒に歌ったり…。つんく♂さん、最近はEテレの『みいつけた!』などの子供向け楽曲も数多く手がけているんですが、それも子供たちを喜ばせたいという気持ちから。子供たちなら誰でも知っている歌のオンパレードで、つんく♂さんが演奏すると“パパすご~い”って言われるのが嬉しいようでしたね。ブログもつい子供の様子ばかり書いてしまうと言っていました」(前出・つんく♂の知人)

 一旦は完全寛解(がん細胞が消失すること)と診断されていたつんく♂。それが再発していたと知らされたのは、モーニング娘。’14のニューヨーク公演のために渡米していた時のこと。

 このころ、6才の長男と長女は、安全のために持たせたGPS付きの携帯電話でメールのやりとりができるようにまでなっていた。3才の次女はひらがなを読めるようになってきたところだった。声がなくても、言葉は伝わる、心の声で励まし続ける──。「生きる!」。そう覚悟を決めたつんく♂の行動は素早かった。

「ニューヨークから帰国後数日の間に声帯全摘出の手術を受けたんです。6時間以上に及ぶ大手術で、喉仏ごと大きく切り取り、術後の彼の喉には直径2cmほどの穴が開いている状態だったそうです。2~3週間経って退院し、年末年始は自宅で家族と過ごせたと聞きました」(前出・つんく♂の知人)

 しかし、つんく♂本人よりも家族の落ち込みは大きかった。大好きなパパと会話ができない──。子供たちも妻もふさぎ込みがちになった。

「つんく♂さんは長年の友人であるTOKIOのメンバーに相談したんです。そうしてTOKIOが自宅に出向いて『花唄』を全員で歌ったこともあったそうです」(芸能関係者)

 新年を迎え、つんく♂の体力が戻ると家族で外出する機会も増えた。

「六本木でお洋服のお買い物をしたり、築地市場へ買い出しに行ったりと今まで以上に精力的に外出していました。家族を元気づけるつもりだったんだと思います。子供たちも今はすっかり元気になったようです。子供たちとは筆談で会話するそうですよ。次女もパパの“声”が聞きたいからと、みるみるひらがなが読めるようになったそうです」(前出・つんく♂の知人)

 そして今、つんく♂は新たな道を模索している。

「術後の状態も安定してきた彼は、“いつかまた自分の声で言葉を発したい”と、周囲に伝えているんです。偶然にも、つんく♂さんのスタッフの1人が過去に同じく声帯を全摘出していたんです。でも今も変わらず仕事を続けている。肺ではなく胃にためた呼気を逆流させて発生する『食道発声法』という方法で、日常会話に支障はない程度に声は出せるんです。つんく♂さんは彼の影響で、この発声法の練習を始めているそうです。今はまだ歌うことは考えていない。話すために頑張ると言っているそうですよ」(前出・芸能関係者)

※女性セブン2015年4月23日号

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン