日本皮膚科学会は、日本でも将来問題になるであろう耐性菌の拡大を懸念し、厚生労働省に対して過酸化ベンゾイル製剤の早期開発承認の要望書を提出した。それが認められ、製薬会社が臨床試験を実施し、今月から薬剤が市販されることになった。
「この薬は、アクネ桿菌を分解する強力な殺菌作用があり、1日1回、洗顔後に塗布します。赤ニキビの場所だけでなく、毛穴の詰まりがありそうなところに、まんべんなく塗ることで、面皰を治療するだけでなく、ニキビの予防にもがります。また早く治すことで、シミや瘢痕の予防も可能です」(川島教授)
重症のニキビの場合は、抗生物質の服薬を併用することもあるが、中等度のニキビなら、この薬1つで治療可能だ。ただ少し刺激が強いので、1日1回の用法用量を守ることが重要だ。
人によっては、皮膚が赤くなる、かさかさする、ピリピリするなどの症状が出ることもある。特に使用開始1か月以内に症状が出ることが多いので、その場合は2~3日使用を控え、治まったら使用を再開する。次第に皮膚が刺激に慣れてくるので、使い続けることが肝心だ。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2015年4月17日号