国際情報

佳子さまに暴言韓国人筆者 世界の歴史家共通認識からズレる

 外国の王室・皇室に敬意を払うのは国際的な常識である。王室への侮辱は、その国の国民全体への侮辱と受け止められる。しかし、隣国ではそんな常識は通用しないようだ。

〈もし機会があれば、日本皇室の佳子姫を慰安婦にするしかない〉

 そんな一文で佳子内親王を侮辱する信じがたい記事が韓国のネットメディア『デイリージャーナル』に掲載された。

 筆者はチョン・ジェハク。2005年に開設された同サイトの編集委員を務め、月に10本ほどのコラムを執筆している。

 佳子内親王に言及した問題のコラムのタイトルは「イルカ曰く、2020年の東京オリンピックはない!」。

 今年4月に茨城県鉾田市の海岸でイルカ156頭が打ち上げられたことが大地震の発生を予言していると指摘し、〈もうじき日本は国家を構成できないほど、小さくバラバラに分裂するだろう〉と“日本沈没”の未来を描く。そこからチョン氏の筆鋒は慰安婦問題に飛躍する。

〈従軍慰安婦という人類歴史上、例を見ない非道を犯した日本は、彼女たちのことを「戦時売春婦」と表現する。だが、これが単純に安倍首相の口から出たのではなく、日本人全員の考えだと理解するしかない。日本が過去の歴史に対する反省を十分に行なったのでこれ以上の謝罪は必要ないと考える日本人が過半数を超えているためだ〉

 この思考は世界の歴史研究者の共通認識からズレていると東京基督教大学教授の西岡力氏が指摘する。

「先日、欧米の日本研究者187人が安倍首相に対して日本の過去の過ちを率直に認めるよう求める声明を出しましたが、彼らも日本の認識と同じく慰安婦制度を『軍隊にまつわる売春』と表現しています。

 つまり、慰安婦制度は金銭のやりとりのある売春行為であり、軍が暴力を使って女性を連行したわけではないというのは国際的な共通認識になりつつあるのです。この筆者が日本を批判するなら、欧米の日本研究者も批判しなくてはなりません」

 記事はこう続く。

〈日本人はおおっぴらに鯨を捕食する人種だ。笑わせるが、全世界の人たちが反対している捕鯨食を彼らは「海洋研究」と主張する。まるで「従軍慰安婦」を「戦時売春婦」と表現するのと同じ理屈だ〉

※週刊ポスト2015年6月5日号

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン