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取り締まり強化で注目集まる「自転車保険」ポイントは示談交渉

 6月1日の道路交通法改正で、自転車運転の取り締まりが強化された。3年間で違反運転を2回摘発されると、公安委員会の自転車運転者講習の受講が義務となり、受講しない場合は、5万円以下の罰金が科せられることとなる。

 そもそも、自転車運転のルールを守るのは、「厳しい取り締まりがあるから」ではなく、「事故に遭わない、巻き込まれない」ために大切なこと。命の危険につながることはもちろん、その損害の責任を負うため、自転車事故で人生の歯車が大きく狂ってしまうケースは、決して他人事ではないのだ。

 2013年に、神戸地裁で出された自転車事故に関する判決は、その賠償額が高額だったため注目が集まった。自転車に乗っていた小学5年生の少年(当時)が、女性の歩行者と衝突事故を起こし、転倒した女性は意識が戻らなくなった。女性側からの損害賠償請求に対し、裁判所は少年の母親に約9500万円の賠償責任を認めたのだ。

 そうした、いざというときのために入っておきたいのが、「自転車保険」だ。ファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんが言う。

「約9500万円の賠償命令が出た母親は保険会社から約6000万円の保険金が支払われました。もし保険に入っていなければさらに大変なことになっていたでしょう。学生の場合、入学時に加入している総合保障制度で自転車事故での賠償が補償されていることがあります。また、既に加入している自動車保険や火災保険でカバーされているケースもありますが、もし入ってなければ、保険料月額が数百円の自転車保険に新たに入っておくと安心ですね」

 数多くある自転車保険、どう選べばいいのだろうか。ポイントは、「『示談交渉サービス』があり、『家族全員』を賠償対象とした保険」だと竹下さんは言う。

「事故を起こしたときに自分の代わりに相手と交渉してもらえるのが『示談交渉サービス』です。これがないと、事故を起こして心も体もボロボロのときに、自分が事故の相手と過失割合などを争わないといけません。また、事故相手への賠償について『契約者のみ』ではなく『家族全員』まで対象になっていれば、家族が起こした賠償事故でも世帯主が契約した保険でカバーされます」

 マナーを見直し、“もしも”に備えて保険に入ることは、自分を守り他人も守ることにつながる。自転車運転は、慎重、かつ安全に。

※女性セブン2015年6月18日号

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