ビジネス

無一文生活告白の中国嫁日記作者「来夏には負債完済予定です」

井上純一さんいわく「アル中vs財産喪失の不幸な二人」

 人気ブログ『中国嫁日記』の単行本4巻が出版された1月末、作者の井上純一氏は会社の金銭トラブルに遭い80万部も売る漫画家なのに無一文になったと告白した。面白い漫画を描きたくてアル中になった過去を描いた『アル中ワンダーランド』が話題のまんしゅうきつこ氏と6月26日に”不幸に効く”トークライブを開催する井上氏に、現在の”不幸”の状況とまんしゅう氏にも通ずるエッセイ漫画での自分の描き方について聞いた。

 * * *
――2月掲載のインタビュー時には、経営されている会社のフィギュア部門スタッフが、多額の使途不明金と未払いを発生させて姿を消したというお話でした。なかでも滞納された税金が利息つけて1700万円ぐらいとのことでした。負債総額も調査中とのことでしたが、進展はあったのでしょうか?

井上純一(以下、井上):一括で払うのは難しいので、税務署と相談して2回に分けて払っています。1回目は『中国嫁日記』4巻の印税で払いました。2回目は、秋に出る5巻の印税で払い、今年のうちに税金の滞納はなくなる予定です。税務署は優しいですよ。払う意志があれば、こちらの生活が困窮しない程度の的確な支払計画を提案してくれます。税金を払わない人の気が知れないですよ。

 負債総額の最終的な計算はまだ続いています。民事訴訟を起こすにはいくつかクリアしなければならないことがあって、そのうちのひとつが被害額。中国の工場への支払い額を確定するための書類再発行に時間がかかっています。銀行振込なら通帳に記録が残りますが、会社に損害を与えた当時のフィギュア部門専従スタッフは、香港の銀行でおろして現金で支払っていたため、工場へ直接お願いしないとなりませんでした。

――会社へ損害を与えたのなら、刑事告訴も検討してよさそうなものですが?

井上:もちろん、最初は刑事告訴できないかと弁護士に相談しました。すると「数億円なら日本の警察も着手するだろうけど、数千万円程度では難しいですよ」と言われました。国境を越えた大がかりな捜査になるため敬遠されるだろうと。だから民事訴訟を検討することにしました。それでも、国をまたがると必要な証明書類をそろえるのが難しく、民事訴訟もできなくなる可能性があります。

 結局、この件は社長である自分が悪いんです。元スタッフの仕事をきちんと確認せず、言われるままに金を出していたんですから。それでも、すべてを明確にするために訴訟はしたいと思っています。

――2月のトークショーで、お金を返してほしいという人が現れたと話していましたね。

井上:その人は元スタッフに融資したお金を僕に返してもらうつもりできたのですが、会社の現状をお話しして相談した結果、版権を取得してまだ商品になっていないものの開発費の出資が決まりました。そのほうが、確実にお金が入ると判断したのでしょう。

関連記事

トピックス

6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン