――会社トラブルがテーマの新ブログ「月サンは困ってます」では、中国嫁こと月(ゆえ)さんがこっそり涙をこらえていましたが、いまはどんな様子ですか。
井上:結婚当初から一貫して元スタッフのことを月は疑っていました。お金の動きが怪しいと言われても、フィギュアのことは彼のほうが詳しいととりあわなかった。それが今では月の言い分を通して経理も見通しがつくから、以前のようにお金は無いけれど、今のほうがストレスが少ないようです。いまや、月がいないと会社の仕事がまわりません。
――フィギュア製造の仕事が忙しそうで、ブログの更新間隔が長くなっていますね。
井上:今年の1月は毎日の生活費を心配しながら単行本を出し、月のフィギュアを売って、続けて「魔法少女」シリーズの鈴原美紗ことミサ姉フィギュアの予約受付を始めたら、おかげさまで好調だったので明日のごはんを心配するような状況は脱出しました。来年7月には金型製作のために組んだローン支払いも終わるので、それまで大失敗しないよう仕事をすすめます。
――ミサ姉フィギュアが原因で、グーグル社から広告を取り下げの連絡が来たとか?
井上:服を着ていたのですが18禁だったので。該当ページを削除して、今は元通りです。グーグルからは「クリエイターに対して圧力はかけていませんのでご理解ください」という文言とともに、もっと効果的な広告になるよう見直し提案もされたんですよ。次回作は18禁ではなく全年齢対象の”紐神様”ことヘスティアなので、心配ないです。
――ライトノベル『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』原作のアニメが4月に放送されて、胸下から二の腕を結ぶ青い紐が大評判となったキャラクターですね。
井上: 7月26日のワンダーフェスティバルには全長70センチになる見本を展示したいと思っています。バットマンやXメンなどアメコミヒーローをよく作っている工場に頼んでいるのですが、最初に上がってきたとき顔も体型もアメコミっぽくて面白かったですね。妙に鍛え上げられた腹筋なんですよ。もちろん修正を出しています。
会社の仕事とは思ったようには絶対にうまく動かず、たいてい大変なほうへ転がる。最悪を回避することだけ繰り返して乗り切っています。仕事は面白いほうがいいというスティーブ・ジョブズを真似たがる人が多いけれど、あれは絶対にやっちゃいけないことばかりですよ。会社経営というのは、うまくいかないことの連続だとわかりました。