「習近平主席や呉勝利司令員が唱える『新たな大国関係』を構築するには、『不動の空母』とも呼ぶべき埋め立て地が絶対に必要だ。これはわれわれ現場サイドからの要請なのだ。
4月29日に呉勝利司令員がグリナート米海軍作戦部長と行ったテレビ会談で、『(滑走路を建設予定の)用地は米軍に貸してもよい』と述べたが、あの発言も同様だ。要は、中国軍が東アジアの海を管理できていなければ、戦争ができない」
陸軍の中堅幹部にも心情を聞いたが、答えは大同小異だ。
「人民解放軍は1979年の中越戦争以降、戦争を経験していない。『戦争しない軍隊は腐る』とは習近平主席の言葉だが、まさにその通りで、われわれ中堅若手は戦争を求めているのだ。
3月13日にミャンマーの爆弾が誤って国境を越え、雲南省に落ちて中国人5人が死亡する事件が起きたが、われわれは上層部に、ミャンマーへの宣戦布告を建議したほどだ。北朝鮮の金正恩政権も、物騒な核ミサイル実験を止めないのであれば、解放軍が介入して政権を転覆させるべきだと具申している」
ここで強調しておきたいのは陸軍と海軍の中堅幹部が共に、次のように結んだことだ。
「もしも習近平主席が対外戦争を躊躇するならば、われわれは『戦争できる指導者』に代わってもらうまでだ」
※SAPIO2015年7月号