当然、国民資産も目減りした(グラフ5)。アベノミクスの成果が実感できないというアンケート結果は多いが、そもそも成果などないのだから感じられるわけがない。
アベノミクスが始まって、消費者物価指数は24か月連続で上昇する一方、実質賃金は25か月連続でマイナスを記録した。
そんな状態では消費も上向くはずがない。昨年4月、増税直後の反動減で消費が大きく落ち込んだが、今年4月はさらにそれを下回った(グラフ6)。もはや統計を発表した総務省の“言い訳”は痛々しい。
「昨年3月までの駆け込み需要で住宅のリフォームをする人が多かった。4月はその代金の支払いで消費を押し上げた。今年はそれがなかったから前年比でマイナスになった」