芸能

柳生博 がんで亡くした息子との思い出の地・八ヶ岳に移住決意

「正直、まだ立ち直ってはいないんだよ。でもこの場所だからこそ、なんとかやっていけてるんだ。都会にいたら参っていたかもしれない…」

 柳生博(78才)は、早すぎた息子の死を遠い目でそう語った。

 5月2日に長男の真吾さん(享年47)を咽喉がんで亡くしてから3か月がたった。新盆の供養を終えたばかりの8月中旬、柳生がオーナーを務める八ヶ岳山麓(山梨県北杜市)のレストラン兼アートギャラリー『八ヶ岳倶楽部』を訪ねた。真吾さんはNHK『趣味の園芸』の司会を2000年から8年間務めるなど人気園芸家として知られ、生前オーナーを務めたこの倶楽部には多くのファンが足を運んだという。

 森を抜ける風が心地よいテラス席からは、富士山が美しい姿を見せる。ここは真吾さんのお気に入りの場所だった。

「ぼくがこの地の開拓を始めたのはもう30年も前のこと。真吾はまだ高校生でした。当時は放置されたままの人工林で、光がまったく入らず荒れ放題になっていた。真吾と一緒に、その木を切ってもともと八ヶ岳に生えていた落葉樹を植えて、自然の雑木林に戻したんです。ここから見えている木々の3分の1は、真吾が植えたものなんだよ…」

 家族で森を再生し、1989年にギャラリーとレストランをオープンした。

 真吾さんはこの地と家族の住む東京の自宅を往復する生活を送っていた。しかし2012年に咽喉がんを発症。最後は甲府市内の病院で息を引き取った。

「真吾が嫁と知り合い、結婚したのもこの場所ですからね…。残された4人の孫も、休みのたびにこっちに来て“じーじ”って言いながら一緒に野良仕事を手伝ってくれています。本当にかわいくってね。ここは息子が大切にしてきた地だから。守り続けていかないといけないんです」

 柳生は元女優の妻(74才)とこの地に住み続けるという。

「家内とは毎日一緒に散歩して、鳥の声を聞いては“あれはキビタキだ!”とかおしゃべりしています。野良仕事をしている時はお茶を持ってきてくれたり、一緒にお弁当を食べたり…。ありがとうの一言だね」

 そう言うと、この地で作ったフルーツティーを目を細めて飲み干した。

※女性セブン2015年9月3日号

関連記事

トピックス

ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン